
- 映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)』のデータ
- 映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)』のあらすじ
- 映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)』の予告編
- 映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)』の感想
映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)』のデータ
題名 郵便配達は二度ベルを鳴らす(The Postman Always Rings Twice)
監督 テイ・ガーネット
出演 ラナ・ターナー、ジョン・ガーフィールド、セシル・ケラウェイ、ヒューム・クローニン
上映時間 113分
制作年 1946年
制作会社 MGM
制作国 アメリカ
映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)』のあらすじ
放浪癖のある流れ者の青年フランクは、カリフォルニア郊外の食堂にふらりと立ち寄る。短期の仕事を探していたフランクは、食堂 ”ツイン・オークス” の主人ニックに誘われ働くことにするが、ニックの若妻コーラの存在を知り腰を落ち着けることにする。
コーラも年の離れた夫ニックとの刺激のない生活にうんざりしており、二人はあっという間に情事を重ねるようになる。そして二人は駆け落ち同然に家を出るが、フランクとの放浪生活に不安を感じたコーラは家出を断念。二人はニックの元に戻ってくる。
しかし「自分で店を切り盛りしたい」と願うコーラ。二人は次第に「ニックを殺して一緒に自由になろう」と考え始める。
一度目の殺害計画は、入浴中の感電死を装いニックを殺害しようというもの。しかし思いがけず訪ねてきた警官や、偶然現れた猫の妨害などで失敗し、ニックは軽症で済んでしまう。
次に二人は、酔わせたニックを車に乗せ、車ごと崖下に突き落とし、事故に見せかけ殺害しようとする。自分たちも車に乗って事故にあい、辛うじて自分たちは助かったと思わせる算段だ。
車は崖下に転落し、計画は成功したかに見えたが、二人の証言や行動には矛盾があり、すぐに立件されてしまう。しかもニックは事故の前日、自らに1万ドル以上の保険金をかけており、二人は保険金目当ての犯行を疑われてしまう。
検事は裁判で二人を追い詰めるが、コーラの雇った敏腕弁護士の手腕で無罪放免となる。しかし裁判の過程で、信頼し合っていたはずのフランクとコーラは互いを疑うようになっており、愛情は次第にひび割れていく。
裁判が終わったにも関わらず、二人の関係はぎくしゃくしたまま。しかしフランクはコーラを愛しており、関係の改善を図ろうと、思い出の浜辺で互いの気持ちを確かめ合う。
ところが心が通い合ったと思った直後、二人は本当に事故にあってしまう。そしてコーラだけが死に、生き残ったフランクはコーラ殺しの罪を問われる。今回は本物の事故だったが、皮肉にもそれを信じる者は誰もおらず、フランクは収監されてしまうのだった。
映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)』の予告編
映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)』の感想
原作小説 → 1942年 ヴィスコンティ版 → 1946年版の順に鑑賞。原作はかなり好きな小説で、高校生以来、何度か読み直している。
だからかな、映画が始まるとすぐに出てくるフランクの姿を見て軽く失望。小柄で、ごく普通の青年という感じ。放浪癖があって全米を渡り歩いているような気がしない。原作のフランクが持つ、ワイルドな野性味が感じられない。
そして程なく出てくるコーラを見て今度は失笑。だってお尻も太もももみっちりとした真っ白なショートパンツに、ピタッとした白の上衣、お腹をチラリと出すのも忘れず、頭にも白いヘアバンド姿で、いかにも退屈して刺激を求める女って感じなんだもの。
あまりにも典型的すぎて「安っぽいなあ、ラナ・ターナーってこんな安い女なのか。所詮ピンナップガール出身じゃ、こんなもんか」などとがっかり。
ところが見進めていくうちに、やっぱりこの二人を応援したくなる。抱きしめたくなる。私は原作のフランクとコーラが好きなのだけれど、同じような愛おしさをこの二人にも感じた。
原作と比べると、この映画は全体的に普通というか、刺激が控えめになっている。殺しの描写も控えめだし、割とよくあるサスペンスに見える。
コーラも、安定した生活目当てに年の離れたオッサンと結婚してしまったけど、自分はまだ若いし、美人だし、もっと命を燃やしたいのに出来なくて、欲求不満から露出の多い格好をしてしまったけれど、結構ピュアだし堅実だし、悪女という感じはまるでしない。
フランクの方も原作と比べるとワイルドさに欠けるため、二人の間で主導権をとっているという程でもなく、割とコーラが主導権を握っていたりして、惚れた弱みでコーラに振り回されている感じがしなくもない。
裁判が始まると、今度は判事や弁護士にまで振り回されて、フランクは後手後手にまわってしまうし、裁判後には店を繁盛させるコーラに従う気の弱い夫みたいになってくる。そのためフランクもピュアっぽく見える。
そしてラストも教訓めいていて、「罪は必ず報いを受けるよね」といった具合の、道徳的なメッセージを感じる。つまり原作が持つ虚無感は、あまりない。
原作ファンの私はこの ”虚無感” が好きだったわけだけれど、それがなくてもこのフランクとコーラは愛おしい気持になった。応援したい気持ちになる。
私はヴィスコンティ版は、フランクとコーラに当る主人公たちよりも、原作には出てこない男スパニョールの方が好きだった。
なので映画版では今回の二人が一番好きもしれない。
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