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死の接吻(1947)

 

 

 

 

 

映画『死の接吻(1947)』のデータ

題名 死の接吻(Kiss of Death)
監督 ヘンリー・ハサウェイ
出演 ヴィクター・マチュア、ブライアン・ドンレヴィ、リチャード・ウィドマーク
上映時間 98分
制作年 1947年
制作国 アメリカ

 

 

映画『死の接吻(1947)』のあらすじ

ニック・ビアンコは泥棒家業ではちょっと名を成した大物。しかし前科があるため仕事にありつけず、子供たちにクリスマス・プレゼントも渡せない。そこで仲間二人とかなり杜撰な強盗に押し入り、簡単に捕まって牢屋にぶち込まれてしまう。

仲間を裏切ることなど考えもしないニックは、検事ディアンジェロの「仲間の名前を密告すれば娑婆に出してやる」という甘言にも乗らず、真面目に刑期を勤めていた。

3年後、妻や子供たちからの手紙が途絶える。消息を探ると妻は自殺し、子供たちは施設に入っていた。家族の面倒は仲間が見ていると信じていたニックは怒りに燃え、娑婆に出ることを決意。ディアンジェロの申し出を飲み、仲間の名前や余罪を密告する。

子供たちと会う許可を得るため、出所後もニックはディアンジェロの情報提供者として動き続ける。そのディアンジェロの捜査の過程で浮かび上がってきた殺し屋ユードー。ニックはディアンジェロの依頼でユードーに接近する。

しばらくはユードー良い関係を築いていたニックだが、やがてユードーはディアンジェロにしょっ引かれる。しかしユードーは無罪放免となってしまう。

ニックに復讐を誓うユード-。かけがえのない子供たちの安全を守るため、ニックは再びディアンジェロと手を組み、ユードーを追い詰めていく。

 

 

映画『死の接吻(1947)』の予告編

www.youtube.com

 

 

映画『死の接吻(1947)』の感想

題名の「死の接吻(Kiss of Death)」は、「死の接吻を与える者=密告者」という意味で、図らずも密告者となってしまった男と、彼を利用する検事、そして殺し屋ユードーの三人が主要人物。

そして「ヤバい新人が出た」とハリウッドが騒然となった、リチャード・ウィドマークのデビュー作でもある。

 

ストーリーは犯罪映画には割と見かける、前科持ちが心を入れ替えて働こうとしても、常に「前科持ち」として見られてしまって職にありつけず、仕方なくまた悪に手を染める、という導入。

そして子供たちを守るため、図らずも検察側の手下になって、悪い奴を捕まえる手伝いをしなくてはならなくなる、葛藤の多い役柄だった。

このニック・ビアンコという男が、善人なのか悪人なのかぜんぜん分からない男で、演じているのが一見善良そうなヴィクター・アマチュアだから余計に分からない。

このヴィクター・マチュアという俳優は、肉体派のマッチョさんで、顔はシルベスター・スタローンみたいな垂れ目が特徴の、ちょっと女たらし風の二枚目。

それでいてどことなく育ちが良さそうで、善良の善人のピュアでお人よしで、すぐに騙されそうな、単純かつ難しいことはよくわかりません、みたいな役が似合う俳優だと私は思っているから、今回は「家族を愛する」は似合っていたが、「泥棒で大物」という設定は似合っていなかった。

つまりミスキャストだったんじゃないかと思うんだけど、どうだろう。

 

一方のリチャード・ウィドマークは、人の痛みなんて1mmも感じなさそうなサイコ野郎の役で、これが彼のデビュー作。そしていきなりアカデミー助演男優賞にノミネートされた。

この映画では、車椅子の老女を階段から突き落とすシーンでの躊躇なさがサイコパスなんだけど(しかも笑いながら)、一番ヤバいのがその笑い方。言葉ではとても表現できない、いやらしい笑い方をする。

「ケケケケケ、みたいな笑い声」って書きたいけれど、違うんだなあ。じゃあどんななのかと言われても、オノマトペが多いと言われる日本語でも書き表せない異常な笑い方。

口の角度も含めて、この笑い方を発明しただけでも、オスカー・ノミネートの価値があると思う。

 

 

死の接吻(字幕版)

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