
- 映画『ゴールデン・コンドルの秘宝(1953)』のデータ
- 映画『ゴールデン・コンドルの秘宝(1953)』のあらすじ
- 映画『ゴールデン・コンドルの秘宝(1953)』の予告編
- 映画『ゴールデン・コンドルの秘宝(1953)』の感想
映画『ゴールデン・コンドルの秘宝(1953)』のデータ
題名 ゴールデン・コンドルの秘宝(Treasure of the Golden Condor)
監督 デルマー・デイヴィス
出演 コーネル・ワイルド、フィンレイ・カリー、コンスタンス・スミス、アン・バンクロフト
上映時間 93分
制作年 1953年
制作国 アメリカ
映画『ゴールデン・コンドルの秘宝(1953)』のあらすじ
18世紀のフランス。主人公のジャン=ポールは名家の血をひくもののそれを知らず、貧しい村で祖父と共に暮らしていた。そんなある日、セント・マロ侯爵が、兄の子であるジャン=ポールを引き取りにやってくる。上流階級にふさわしい教育をすると言うのだ。しかしジャン=ポールが侯爵邸に向かうと、そこでは奴隷同然の生活が待っていた。やがてたくましく成長したジャン=ポールは、公爵の娘マリーと恋仲となる。
一方、グァテマラの奥地 ”マヤランド” に眠る「ゴールデン・コンドルの秘宝」を探すマクドゥーガルが、村の神父に地図の解読を依頼するべくやってくる。マクドゥーガルと出会ったジャン=ポールは、マリーにふさわしい身分を得るため宝探しの旅に同行する。
グァテマラの拠点でマクドゥーガルの一人娘クララと合流し、いよいよマヤランド探しの旅に乗り出す。財宝を守る大蛇や、襲う地震をくぐりぬけ、ようやく財宝を手にするが、マクドゥーガルは大けがを負ってしまう。傷がいえるまで村にとどまるマクドゥーガルは、財宝よりも価値あるものを手に入れる。
ジャン=ポールは財宝を手に国へ帰り、自分の身分を取り戻すべく動き出す。しかしマリーに裏切られ窮地に落ち込み、裁判にかけられるが、判決が出る直前に侯爵家の正式な後継者である証拠が提出され、無事釈放される。
爵位と地位を得たジャン=ポールはそれを捨て、「本当に大切なもの」を手に入れるため、マクドゥーガルとクララの待つグアテマラへ戻っていく。
映画『ゴールデン・コンドルの秘宝(1953)』の予告編
※なぜかセピア色ですが、本編はフルカラーです。
映画『ゴールデン・コンドルの秘宝(1953)』の感想
アフリカで大々的にロケを行った名作『キング・ソロモン(1950)』ばりに、グァテマラ・ロケを敢行したことも売りの作品。
この手の映画としてはちょっと変わった展開で、一見よくある宝探し系の冒険活劇かと思いきや、実際の宝探しシーンはすごく短く、あっさりしていて、割とすんなりマヤランドにたどり着き、ダンジョンに入ってからはそれこそもうあっという間に宝を手にする。
ちょっとヘビが出てくるくらいで大した罠もないし、建物が崩れたりはするけれどそれは地震のせいだし、本当に簡単に宝を手にしてしまうので、インディ・ジョーンズ・シリーズみたいな手に汗握るダンジョンとか、ハラハラドキドキなアクションを期待すると肩透かしを食らうかも。
では何がこの作品の見どころなのかというと、それは「幸せってなんだろう」という、人間の生き方、価値観がこの作品を支えている。
コーネル・ワイルド演ずる主人公のジャン=ポールは、貴族の家に生まれながら奴隷同然の生活を強いられる。父親は侯爵、母親が庶民であり、両親が遠洋航海中に船の上で結婚をし、そのまま死んでしまったがためにその結婚が誰にも知られず、ジャン=ポールは自分が正当な後継ぎであることを証明できない。家は叔父がのっとっていて、彼はジャン=ポールが正当な跡取りだと認める気はさらさらない。
そこでジャン=ポールは財宝を手にし、その資産でもって自分の身分を証明しようと考える。ジャン=ポールは叔父の娘のマリーに惚れていて、彼女を手に入れたいとも考えているけれど、基本的には自分の名誉と正義のために財宝が欲しいのだ。
ところが正当な後継ぎであることを証明したあとはすべての権利を放棄し、財産は自分を助けてくれた人たちに分け与えて幸せにし、高慢ちきでサイテー女だったマリーは捨てて、手ぶらでグァテマラへ戻ってしまう。
ジャン=ポールは宝探しをしているうちに、金や地位や権力ではない、別の幸せを見つけたというわけ。
個人的には、ジャン=ポールを財宝探しに引きずり込んだ、冒険家のマクドゥーガルが一番うらやましい。
財宝探しに夢中になるあまり、妻を熱病で亡くし、娘のクララの人生まで巻き込んでクララに怒られていたくせに、財宝を発見した途端に興味を失くし、グァテマラの山奥の素朴な生活に魅入られて、財宝のすべてをジャン=ポールにくれてしまう。
そして自分は、まわりを山で囲まれた大きな青い湖のほとりで、現地のなんとか民族に世話をされ、残りの人生を穏やかに暮らすのだ。
いいなあ! ま、ちょっと白人が有色人種をかしずかせて、小さな王様みたいになってる気がしなくもないが、そういう難しいことは考えないことにして、やっぱりうらやましいなあ。
私も所有欲を捨ててみたいなあ! そうすれば別の充実感が満たされるのではないかなあ!
そんな妄想に近い願望がむくむくと兆してくるような、「人間の幸せってなんだろう。私の幸せはどこにあるんだろう。私が幸せになるためには何を捨てたらいいんだろう」と思わせるような、そんな感じの作品で、見て良かった。
