
映画『バトルランナー(1987)』のデータ
題名 バトル・ランナー(The Running Man)
監督 ポール・マイケル・グレイザー
原作 リチャード・バックマン(スティーブン・キング)「バトルランナー」(1982)
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー
上映時間 101分
制作年 1987年
制作国 アメリカ
映画『バトルランナー(1987)』のあらすじ
近未来のアメリカは、世界経済の崩壊と資源不足により警察権力が独裁政権を持つ警察国家となっていた。テレビは政府のプロパガンダ装置と化し、芸術・音楽・自由なコミュニケーションは厳しく制限されている。民衆にとってはテレビだけが数少ない娯楽となっており、人々は人気番組「ランニング・マン」に夢中だった。
その番組「ランニング・マン」は、有罪判決を受けた囚人を”ランナー”としてエリアに放ち、正義の殺し屋である ”ストーカー” がそれを追いかけ処刑する様を、全世帯に生中継するという、暴力リアリティ番組だった。
主人公のベン・リチャーズは、空輸部隊の隊長として暴動の鎮圧命令を受ける。しかし無抵抗の市民への発砲という理不尽な命令を拒否したことで、反逆者として世論の敵にでっちあげられてしまう。
囚人収容所から脱走したリチャーズは、テレビ番組「ランニング・マン」への出演を強要され、番組の舞台となるゲームゾーンで幾人ものストーカーたちに命を狙われながら、生き延びるために戦うはめになる。
映画『バトルランナー(1987)』の予告編
映画『バトルランナー(1987)』の感想
原作と全然違うんですけどー笑。これにはスティーブン・キングもびっくりよ。きっと失笑して、「しょうがねえな、ま、アメリカ人らしいから仕方ないか」と許したことでしょう(知らんけど)。
この映画は一応、スティーブン・キングがリチャード・バックマン名義で書いた小説『バトルランナー』を映画化した作品ということになっている。
小説も映画も主題としては「体制に対する個人の反抗」「メディアの暴走」「視聴率のための人命軽視」などがあるんだろうけれど、小説はリアリティのあるディストピア小説になっているのに対して、映画は完全にアクション重視・エンタメ寄りの超娯楽作になっていた。
もう、私からしたら「おバカ映画」のカテゴリに入れたいくらいよ(入れたけど)。
主人公のベン・リチャーズは原作だと、スラム暮らしで妻と病気の幼い娘がいて、その娘の治療費を稼ぐために命懸けのテレビ番組に出ようとするなど、複雑で細かい設定がなされている。
ごく普通の男でありながらも知恵を絞って追っ手を巻き、なんとか生き延びようと奮闘する姿が描かれて、読者の同情や共感を得るリアリティのある男だ。
ところが映画のベン・リチャーズは、典型的な「脳まで筋肉アクションヒーロー」になっていた。シュワルツェネッガーなんだから仕方ないとは私も思うけど、原作ファンだったら観ててちょっとのけぞるよね。
シュワちゃんの設定もそうなんだけど、追ってくるストーカーたちというのがもう漫画。原作では追ってくる男たちも普通の男なんだけど、映画では、なんていうんですか、マーベルの悪役みたいな、やっぱり漫画なんですよ。
まず一人目が「サブゼロ」というヤツで、ブレードが付いたアイスホッケーのスティックを斧みたいに振り回して襲ってくるの。
二人目はチェーンソーを振りまわす「バスソー」で、バイクに乗ってチェーンソーを振り回しながら襲ってくるし、
この「バズソー」とコンビを組んでいるのが、電飾まみれの「ダイナモ」。オペラ好きみたいで、要所要所で歌声を披露してきて、最後は自分の電飾が漏電して死ぬの。
四人目が火炎放射器を振りまわす「ファイアーボール」で、ロケットを装着していて空も飛ぶの。
で、最後は意外とフツーになって、ただの筋肉男の「キャプテン・フリーダム」なの。
ひどいでしょう。よくキングも怒らなかったなって思う(怒ったのかもしれないけど)。
私が原作者だったら泣く出来。酒でも飲まなきゃ観てらんないわよ。
というわけで、映画を見た人は原作をぜひ読んでほしい、原作を読んだ人は映画は見ない。
これが正解。

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