ぱっとみ映画感想ブログ

1999年までの映画 特化型ブログです

フラッシュ・ゴードン(1980)

 

 

題名 フラッシュ・ゴードン(FLASH GORDON)
監督 マイク・ホッジス
原作 アレックス・レイモンド 「フラッシュ・ゴードン」
出演 サム・J・ジョーンズ、メロディ・アンダーソン、マックス・フォン・シドー、ティモシー・ダルトン
音楽 クイーン テーマ曲「フラッシュのテーマ」
上映時間 111分
制作年 1980年
制作国 アメリカ

 

 

「フラッシュ! アア~!」というクイーンの主題歌の方が有名な、アメコミ・スペースオペラ作品。アメコミ感満載で頭が空っぽな、おっといけない、こっちの頭を空っぽにすると楽しめる、そんな映画。

 

 

宇宙では、全宇宙を統べるモンゴ帝国のミン皇帝が、地球に月をぶつけて破壊しようとたくらんでいた。そこへアメフト選手の甘いイケメン、フラッシュ・ゴードンが、セスナで乗り合わせたイケてる女デイルと一緒に嵐で墜落してしまう。

フラッシュはマッド・サイエンティストのザーコフ博士や、森の国アルボリアの王子バリン、タカ男たちを率いるバルタンを味方に、ミン皇帝を打倒するべく戦いを挑む。

 

 

最初ジョージ・ルーカスが映画化を希望していて、それが叶わず 『スター・ウォーズ(1977)』を制作したという曰くありの映画 (ほんとかよ)。

さらにその『スター・ウォーズ』を見た『フラッシュ・ゴードン』制作陣が、「俺たちもあれくらいの特撮を!」と言って気合を入れたらしい。

確かに随所に『スター・ウォーズ』の影響がみられる。ミン皇帝が銀河皇帝でしょう、クライタス将軍はダース・ベイダーに見えなくもないし、ミン皇帝の根城内やザコ兵もスター・ウォーズ風に見えてくる。

お互いリスペクトじゃん。美しいね。

 

でも私にはスター・ウォーズというよりも、ゴレンジャーやサンバルカン的な戦隊ヒーローものに見えた。ザコ兵が大勢いて、そのザコっぷりも戦隊ヒーローものそのものだし、衣装の安っぽさも共通している。

それにフラッシュはアメフト選手だから、アメフトのボールみたいなものを武器にして戦うんだけど、そういうのもサンバルカンを彷彿とさせて戦隊ヒーローっぽかった。

 

そのヒーロー、フラッシュ・ゴードンを演じ、栄えある第一回目のゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)最低主演男優賞にノミネートされたサム・J・ジョーンズは、「FLASH」って自分の名前が大きく入ったTシャツを着て登場し、意味なく脱いでいた(パンツ一丁になる)。

このサム・J・ジョーンズをひと言でいえば、なんていうのかしら、安い男w ラジー賞も、ノミネートどまりというのがなんとも安い。ぜひ受賞して欲しかった。

 

彼と比較すると、バリン王子役のティモシー・ダルトンは断然格好良かったし、演技もきちんとしていて重みも深みもあって、ちゃんと俳優だった。中身がある男って感じがした。これを見るまでただの007俳優だとしか思っていなかったけど、私は断然ティモシー・ダルトンを見直したね。

 

とはいえ、ラストの方でフラッシュが、自分の命と引き換えに地球を救う決断を、なんの躊躇も葛藤もなく即決していたあたりは、「ヒーローだなあ!」と感嘆した。

凡人だとつい「自分も助かりたい」とか思っちゃいそうだけど、彼は全然。コンマ一秒たりとも逡巡したりしないの。自分の命がなくなっても地球を救うのが「当然」と言わんばかり。

そういうところも馬鹿っぽかったよね。

 

 

フラッシュ・ゴードン(字幕版)