ぱっとみ映画感想ブログ

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宇宙戦争(1953)感想

 

 

題名 宇宙戦争(The War of the Worlds)
監督 バイロン・ハスキン
制作 ジョージ・パル
原作 H・G・ウェルズ 「宇宙戦争」 1898年
出演 ジーン・バリー、アン・ロビンソン
上映時間 85分
制作年 1953年
制作国 アメリカ

 

地球人よりもずっとずっと進んだ文明を持つ火星人が、地球人を滅ぼしにやってくる。それもなんの予告もなしに、隕石のふりして地球に激突してくる。落下物の中から出てきた、醜悪な姿の火星人たちが着々と何かを建設しはじめ、高度な科学力を惜しげもなく披露して人類に攻撃を開始する、という話。

 

「火星人=タコ型」のイメージを私たち人類に植え付けたことでも有名な、H・G・ウェルズ原作の傑作SF古典小説 『宇宙戦争』 の映画化作品。

 

あまりにも傑作の原作と比べるとかなり落ちるけど、映画はたった85分なのに、原作から大きく外れずよく出来ていたと思う。

原作で火星人が乗る乗り物は、「トライポッド」と呼ばれる長い三本足の巨大な乗り物だけれど、映画では緑色の空飛ぶ円盤っていう感じ。時代も変わっていて、主人公が乗って逃げるのは原作では「馬車」、映画は「車」。

それから、原作の主人公はたったひとりでの孤独な逃避行だけれど、映画では女連れ。ちなみに2005年公開のリメイク、スピルバーグ&トム・クルーズ版では子供連れ (子供はダコタ・ファニング)。やっぱり映画だから、それなりの ”華” が必要だと判断されたかな。男一人だと、娯楽作品としては絵的に物足りないってことか。

 

あと、かなりキリスト教色が強めになっていると感じた。意表をつく終わり方は原作通りだけれど、「神様ありがとう」みたいになっていた。

でもねえ、“あの” 結末は、奇跡的要素ゼロなのに。至極当然、納得の、科学的な結末なのに。だから原作みたいに神さまは出さずに、科学的なアプローチだけにすれば、もっとクールになって良かった気がする。

だいたい神父様が宇宙人に対して、「話せばわかる」とかなんとか言って世間知らずぶりを露呈していたけど相当滑稽だった。それもたった今3人が灰になったばかりなのに、「神様がついてるからきっと大丈夫」って言っていた。

ばかだなあ。

 

宇宙戦争(字幕版)

宇宙戦争(字幕版)

  • ジーン・バリー
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