題名 ダイナー(Diner)
監督 バリー・レヴィンソン
制作 ジェリー・ワイントローブ
脚本 バリー・レヴィンソン
出演 スティーヴ・グッテンバーグ、ダニエル・スターン、ミッキー・ローク、ケヴィン・ベーコン、エレン・バーキン
上映時間 110分
制作年 1982年
制作国 アメリカ
ボルチモアに住む、大人になれない欠点だらけの若者たちが、アメリカの簡易食堂であるダイナーを溜まり場にして、くだらない会話と他愛もないいたずらを繰り返している。そろそろ大人にならなくちゃいけないんだけど気が進まないし、抵抗がある。そんな葛藤が描かれる。
割と世代なのだけど、昔からこの映画になんとなく憧れていて、いつか見てみたいなあと思いつつ機会がなくて時間だけが過ぎていき、その間も時々は「ダイナーなあ。見たい見たいと思いつつ見ていなかったなあ」と思いながらも見ていない、そんな感じの映画。
なんとなく、名作ではなさそうで傑作でもなさそうだけど、何か郷愁を誘うような、古き良きアメリカに対する憧れを惹起するような、甘酸っぱいような、、、でも傑作ではないんだろうな、と。
というわけでDVDを購入して見てみたのだけれど、うーんたいして面白くないなあ。ジャケ写が格好いいだけの映画なのかなあ。主役級のミッキー・ロークの、やや高めの声の、小さくささやくような喋り方、あの無理やり口角をきゅっと上げている小さな口が、今更ながらキモイなあ。
なんて思いながら見ているうちに、「おや。私これ、見たことあるんじゃないか。いや、見たことあるな。裸でマリアや三博士の人形と戯れるケビン・ベーコンの姿は確かに見たことがある」と思った。
うん、確かに見たことがある。私、見てたんだ。これ。
で、仲間の一人のレコードマニアが、レコードの並べ方で嫁と大喧嘩になるくだりから「分かる分かる、すげー分かる」となって、映画は俄然興味深くなっていく。
これ、いい映画なんじゃない? 青春映画の割に派手さはないけど、これいい映画だわ。
というわけで見終わって、ああ地味にいい映画だったなあ、大人になり切れない大人たちの、青春のしっぽみたいなのがいい味出してたなあ。
なんて思うわけなんだけど、数日経つともうどんな話だったのか、もう具体的には思い出せないという、そんな感じの映画なのだった。
見るといい映画なんだけどね。