ぱっとみ映画感想ブログ

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キートンの大列車追跡(1926)感想

 

 

題名 キートンの大列車追跡(The General)
監督 バスター・キートン、クライド・ブルックマン
出演 バスター・キートン、マリオン・マック
上映時間 107分
制作年 1926年
制作国 アメリカ

 

三大喜劇王のひとり、バスター・キートンの長編映画。

『キートンの大列車強盗』の題で、大昔に映画館で見たことがある。たぶんキートン最大の代表作。

 

南北戦争時代のアメリカ。戦地で戦うことが男の誇りの時代。蒸気機関車「ジェネラル号」の機関士キートンは、愛する恋人の期待やプレッシャーもあり南軍への入隊を希望するが、機関士は戦争にも重要な仕事のため入隊を断られてしまう。おまけに意気消沈していると、北軍に機関車を奪われてしまう。

連結を外して逃亡する北軍だが、奪われた車両に恋人が乗っていた。キートンは愛する恋人を救うため、機関車で北軍を追いかけ救出するだけでなく、北軍の進撃を南軍に知らせることに成功。最後は少尉の位を持つことに成功する。

 

 

あらすじで「キートン」「キートン」って書いたけど、もちろんジョニーという名前がある。恋人はアナベルかな。

 

だけどそういうことよりも、大事なのはキートンが出ていて、縦横無尽に走り回って、なんだか分からないうちにあれよあれよと棚ぼた式に色んな事がうまくいって、ああ可笑しいね、楽しいね、ってキートン映画はそういうこと。

 

最高に素晴らしいのが、序盤でキートンが恋人に「どうして戦争に行かないの?」と責められて、「だって断られちゃったんだもん、、、ごめんちょ」ってなって、機関車の車輪の連結棒に座ってると機関車が動き出してキートンが上下に動く、あのシーン。

このシーンを見ただけで胸が熱くなって、ああ見てよかったって思わせる。

文章にするとなんのこっちゃという感じだけど、見た人は分かる。キートンはこういう風に、シーンで心情を表現するのがすごく上手いと思う。

言葉でいうのは難しい、詩的な感じ。

 

もちろんコメディとしても楽しい。恋人がほうきで掃除し始めたときは思わず爆笑。タイミング抜群。油断してた。

 

邦題についてはこうして改めてみると、大昔に私が見たときの『大列車強盗』だとキートンが強盗になったみたいな印象もあるし、あの映画史に冠たる『大列車強盗(1903)』と被る。そもそも原題はキートンの機関車の名前である『The General』だし、ストーリー的にも『追跡』が妥当。