ぱっとみ映画感想ブログ

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グレンとグレンダ(1953)感想

 

 

題名 グレンとグレンダ(Glen or Glenda)
監督 エド・ウッド
脚本 エド・ウッド
出演 ダニエル・デイヴィス(エド・ウッドの変名)、ベラ・ルゴシ、ドロレス・フラー
上映時間 65分
制作年 1953年
制作国 アメリカ

 

ものすごく真面目な映画だった。両性具有の人が主役のB級SFみたいなのを想像していたから驚いた。かの有名な“駄作王“エド・ウッド監督作品と知らずに見たせいか、なんか教育映画みたいだな、と。女装癖とか両性具有とか性転換とか、そういうのに対する理解を促すプロパガンダ映画なのだと。

 

女装癖のある若者が、女装が原因で警察に捕まるのを恐れて自殺してしまう。その事件を担当した警部が、世の中にたくさんいると言われる服装倒錯者や性転換手術をする者たちの心理を理解しようと、専門家の元を訪ねる。専門家はその理解を促すために自分が担当したケースを紹介する。

一例目がグレンとグレンダで、彼は女装癖のある服装倒錯者。優しく賢い婚約者がいるが、女装をやめられないし、結婚する前に彼女に打ち明けるか悩んでいる。愛する彼女を失いたくない彼は悩んだ末に打ち明ける。

二例目は偽両性具有のアランとアンのケース。アランは少年時代から女装が好きで、自分が両性具有であることから性転換手術で女性になる道を選ぶ。

 

これら二つのケースを彼らの心情に寄り添いながら、彼らを理解できるように丁寧に紹介しつつ観客(私たち)に理解を促す、という映画になっていた。やっぱりある種のプロパガンダ映画と言えると思う。

最近LGBTQっていうんですか? 何の略だか皆目見当がつかないが、なんかそういうのが問題化していて、私個人は「そういうのは人類の歴史と同じくらいの間存在する現象なので理解は示すけど、あまりにも権利を主張されると辟易するからほどほどにね派」なのだけど、この映画を見て考えが変わった、、、ということにはならなかった。

 

ちなみにベラ・ルゴシは登場人物ではなく、ストーリーテラーとして登場。映画が始まるやいなや、彼特有の「演劇的な演技」(笑)を炸裂させている。