題名 三つ数えろ(The Big Sleep)
監督 ハワード・ホークス
出演 ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール、エリシャ・クック・Jr
上映時間 114分
制作年 1946年
制作国 アメリカ
私立探偵のフィリップ・マーロウは、老齢の富豪スターンウッドから末娘のカルメンが巻き込まれている事件の解決を依頼される。跳ねっ返りのカルメンは、どうやら古書商のガイガーから強請られているらしい。おまけに自分の前任者であるリーガンは姿をくらましていた。
調査を開始したマーロウは、ある一軒家でガイガーの死体と、酔ったカルメンを発見する。
登場人物の相関関係が入り組みすぎて、ストーリーが複雑怪奇になりすぎた迷作。
原作も同じらしく、登場人物テーラーの死因について、原作者のレイモンド・チャンドラーですら「わからない」と応え、同じことを聞かれたボガートも「俺だって知らねえよ」と言ったということなので、ストーリーに関してはもう「そういうもの」と思って深く詮索する必要はないのかも。
では見る価値がないのかと言えばそんなことはなく、ストーリーを真剣に理解しようとすることをやめれば、実に雰囲気のある素晴らしい作品になってる。
モノクロなのも良し、夜の雰囲気が漂う世界感、ボガートとバコールの渋いカッコよさ、咥え煙草と紫煙、大人の世界が楽しめる。冒頭の、二人が煙草を吸うシルエットも、ラストの二人のカットも格好いい。やっぱり大人は煙草と酒だね。
夜、ひとりで、ちょっといいお酒を片手に映像を流して、なんとなく眺めるのも良し。少しお洒落なお店でのパーティや宴会で、さりげなく映像を流すのもいいかも。
つまり「ちゃんと見ないこと」が肝要。これがこの作品を楽しむ秘訣かな。
<また見るときのための登場人物の覚書>
マーロウ・・・主人公。38歳。私立探偵。スターンウッドに雇われる。耳たぶを触る癖がある。
スターンウッド・・・老齢の富豪。病気で車椅子。ガイガーに金をゆすられている。
ビビアン・・・スターンウッドの長女。頭がよくて、情け容赦ない。
カルメン・・・スターンウッドの次女。子供っぽさが抜けず、軽率で男好き。ガイガー殺しに巻き込まれる。
ジョー・ブロディ・・・次女カルメンの元カレ。ギャンブラー。スターンウッドはカルメンとの手切れ金5000ドルを払っている。カイガー殺しに巻き込まれたカルメンの証拠写真をネタにビビアンを強請る。
リーガン・・・マーロウの前任者。1か月前に挨拶もなく姿を消した。マースの妻とできていた。
A・G・ガイガー・・・古書商。カルメンの賭博の借用手形を切っている。
ラングレン・・・ガイガーの付き人。
アグネス・・・ガイガーの仲間。
ライリー・・・警部。
テーラー・・・海に落ちた車から見つかった死体。スターンウッドの運転手。
エディ・マース・・・ギャンブラー。ガイガーの大家。
ハリー・ジョーンズ・・・マーロウをつける男。小男。アグネスに惚れている。
カニーノ・・・マースの子分。