
映画『前科者(1939)』のデータ
題名 前科者(Invisible Stripes)
監督 ロイド・ベーコン
出演 ジョージ・ラフト、ジェーン・ブライアン、ウィリアム・ホールデン、ハンフリー・ボガート
上映時間 81分
制作年 1939年
制作国 アメリカ
映画『前科者(1939)』のあらすじ
主人公クリフは服役していたシンシン刑務所を仮釈放となり、ムショ仲間のチャールズと共に娑婆に戻ってくる。チャールズは出所しても犯罪癖が消えないが、クリフは真っ当な人生を歩もうと堅気の仕事を探す。
しかし前科者の烙印は簡単には消えず、婚約者のスーは心変わりしていたし、仕事はなかなか見つからない。ようやく仕事にありつけても前科者であることが祟ってトラブルとなり、長続きしない。
やがて長く働けそうな職場と出会えたクリフだったが、街で起こった銀行強盗の犯人に疑われ、またもやクビになってしまう。
一方、クリフの弟ティムは整備工場で働く堅気だが、生活は苦しく、貧しさから恋人のペギーがスーのように心変わりするのではないかと焦っていた。
銀行強盗の容疑をかけられたクリフの保釈金のためあちこちを駆け回るティムだったが、思うように金を調達できず、職場の上司を殴ってティムまでクビになってしまう。
仕事を失い自暴自棄になっていくティム。クリフはティムまでが犯罪の道に走ってしまうのではないかと危惧し、ティムのために整備工場の資金を調達しようと、結局チャールズと共に銀行強盗に手を染めてしまう。
クリフからの送金で整備工場を建て、晴れてペギーと結婚したティム。それを見届けたクリフは強盗団から足を洗う。しかしクリフ抜きで実行した銀行強盗が失敗。チャールズは無関係のティムに逃亡の手助けをさせ、ティムは窮地に立たされてしまう。
映画『前科者(1939)』の予告編
映画『前科者(1939)』の感想
ウィリアム・ホールデンの2作目。とはいえホールデンは主役ではなく、主人公の弟ティム役。
背丈もあって中肉中背、若くて格好いいし、すでに演技もうまい。映画半ばでヤケクソになり、無精ひげを生やしてやさぐれていたかと思えば、その直後の整備工場を建てた時の顔は別人のように清々しい、輝く表情をしていた。
映画は犯罪映画ではあるのだけれど、どちらかというと道徳の教科書みたいな、説教臭い犯罪映画。一度道を踏み外すと、なかなか正道には戻れないねという、教訓めいた臭いがする。
この映画はダメなわけじゃないと思うのに今一つ気持ちが乗れないのは、そういう説教臭さもさることながら、クリフという役柄が真面目なんだかワルなんだかよく分からないせいもあると思う。
そもそもクリフが何の罪でシンシン刑務所に入っていたのかが分からない。その上かなり地道で真面目そうだし、弟思い、母思いで、思いやりの深い人物でもあるから、本来は刑務所に入るような人間じゃなさそうに見える。
おまけに演じたジョージ・ラフトは、ギャング映画に多く出演したらしいけれど、見た目はどこかの重役みたいなルックスだから、尚のこと真面目そうに見える。
だから「一体なんで刑務所なんかに行く羽目になったのかしら」という疑念が消えない。
ここはやはりクリフが刑務所に行くことになった経緯も併せて描いてもらいたい。
それがうまくいけば、もっと見ごたえのある映画になっただろうに、、、
あ、そうそう、二番手くらいの役チャールズ役はハンフリー・ボガート。
ボガートが『マルタの鷹(1941)』や『カサブランカ(1642)』でスーパー・スターになる直前なのかな。
たぶんいつものボガートなんだけど、力を抜いて60%くらいでやっているように見えた。
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