- 映画『ザ・カンニング [IQ=0](1980)』のデータ
- 映画『ザ・カンニング [IQ=0](1980)』のあらすじ
- 映画『ザ・カンニング [IQ=0](1980)』の予告編
- 映画『ザ・カンニング [IQ=0](1980)』の感想
映画『ザ・カンニング [IQ=0](1980)』のデータ
題名 ザ・カンニング [IQ=0](Les Sous-doués Passent le Bac)
監督 クロード・ジディ
出演 ダニエル・オートゥイユ、フィリップ・タッシーニ、ガエタン・ブルーム
上映時間 92分
制作年 1980年
制作国 フランス
映画『ザ・カンニング [IQ=0](1980)』のあらすじ
フランスのバカロレア資格を目的とした予備校 ”ルイ14世予備校” は合格者ゼロを誇り、倒産の危機を迎えていた。リュシー校長は予備校の存続をかけて、今年の生徒をなんとしてでもバカロレアに合格させる決意を固める。
一方、集まった生徒たちはみな劣等生ばかり。誰も真面目に合格を目指す者はおらず、なんとしてでも授業をサボろうと、あの手この手で授業の邪魔をする。
生徒と予備校の攻防は白熱。徐々にエスカレートし、生徒側が火薬多めの爆弾を台所にしかけると、それがうまい具合に本物のテロリストによる本物の爆弾と入れ変わったもんだからさあ大変。それに気づいた生徒が警察に知らせるが、いつもの悪戯が災いし信じてもらえない。当然爆弾は大爆発。予備校は跡形もなく吹っ飛ぶ。
裁判にかけられた生徒たちは爆弾が入れ替わったことを訴えるがやっぱり信じてもらえず、有罪の危機を迎える。と、裁判官が「バカロレアで合格したら無罪にしてあげる」と言い出す。
バカロレアに合格するなどありえない生徒たちは、親を巻き込み、あの手この手でカンニングの手法を編み出して試験に挑む。
映画『ザ・カンニング [IQ=0](1980)』の予告編
映画『ザ・カンニング [IQ=0](1980)』の感想
80年代前半くらいに大変有名だった青春映画で、おバカ映画の傑作。
テンポもいいし、登場人物たちはみな魅力的だし、こんなにおバカなのに不快なところが微塵もない。とても楽しかった。
私は10代の頃に見たっきりだったので、今回ん十年ぶりに見直して初めて気が付いたけどフランス映画だったー!笑
当時はTVの吹替で見たから言語が分からないし、ドタバタギャグのおバカぶりから、勝手になんとなくアメリカ映画だとばかり・・・あの時代は「外国人と言えばアメリカ人、映画と言えばアメリカ映画」みたいな時代だったとはいえ、思い込みとは恐ろしい。
今回DVDを手に入れて見てみたら、どー見てもパリの街並みだった。映画が始まってすぐに気が付くレベルでパリだったー笑
内容については邦題が『ザ・カンニング』なのに、実はカンニング・シーンは最後の方にちょっと出てくるだけで、生徒たちが学校に仕掛ける ”いたずら” の方がボリュームがある。
私が気に入ったのは、校長が授業の様子を隠し撮りしていると知った生徒たちが、先生のワンピースを拝借して成りすますところ。
授業中に先生がフザケ倒しているかのような映像を撮り、それを実際の映像と差し替えて校長に見せる。当然校長は「教師のくせに生徒と一緒になってふざけてる!」って思うから教室に向かうと別に何事もない。で、変だなと思いながらも校長室に戻るけど、モニターを見るとやっぱり先生はふざけてる。で、教室にいくとちゃんと真面目に授業してる、というところ。
先生は校長の娘なんだけど、思いっきりビンタされてべそかいてた。可哀想に。何も悪くないのに。
こんなドリフ的ないたずらシーンがたくさん。
映画の原題は『劣等生、バカロレアを受けるの巻』みたいな意味だから(たぶん)、カンニングがどうという映画ではなくて、バカロレア試験にまつわるおバカぶりがメインなのだ。
とはいえ気になるカンニング手法。これはひとつも現実では使えないので期待せぬよう。
例えば主役格のベベル君は、ゴムでできた服を着て試験に挑む。一見するとただの模様にしか見えないその上着は、実は沢山の単語が印刷されていて、服を力一杯引っ張るとゴムがびょーんと伸びて文字が読める。でも手を離すと「バチン!」と大きな音が出る。なのでベベル君は試験官の目を盗みながら力一杯「びよーん」からの「バチン!」を繰り返すというわけ。怪しすぎる。そしてありえない。
他のカンニング手法も似たようなもんで、赤ちゃんのお尻に答えが書いてあったり、遠隔操作で答案を書こうとしたり、靴底が参考書になっていたり、絶対に使えないものばかり。
気になる方は映画を見られたし。
それにしてもおバカって楽しそう。優秀で秀才だと若いのに深刻ぶってつまらない人間になりそうだけど、おバカは違う。すげー楽しそう。いいなあ。80年代という時代性もあるのか、やけに未来がいっぱいに見えた。
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