
映画『遊星よりの物体X(1951)』のデータ
題名 遊星よりの物体X (The Thing from Another World))
原作 ジョン・W・キャンベル・Jr 「影が行く」 1938年
制作 ハワード・ホークス
監督 クリスティアン・ナイビイ
出演 マーガレット・シェリダン、ケネス・トビー、ロバート・コーンスウェイト
制作 RKO
上映時間 87分
制作年 1951年
制作国 アメリカ
映画『遊星よりの物体X(1951)』のあらすじ
アラスカ近くの北極圏。アメリカ空軍基地の近くに謎の飛行物体が墜落する。
調査チームが向かうと、氷の中に円盤状の巨大な宇宙船と、凍りついた「何か」を発見する。チームは氷ごとその「何か」を基地に持ち帰り保管するが、事故で氷が溶け、中に閉じ込められていた謎の生命体が目覚めて逃走してしまう。
その生命体は人間とは異なり、植物由来の生命体だった。しかも人間や動物の血を食料としており、自己再生能力も持つ強力なモンスターだったのだ。
科学者たちはモンスターをとらえて研究しようとするが、人類の脅威とみなして殺すべきだと考える軍人たちと対立が起きてしまう。
しかしモンスターと闘ううち、科学者と軍人らが協力し合って退治方法を見つけ、危機を乗り越えることに成功する。
映画『遊星よりの物体X(1951)』の予告編
映画『遊星よりの物体X(1951)』の感想
原作はジョン・W・キャンベル・Jrの短編小説『影が行く』。一応既読。
この『影が行く』は1982年にもジョン・カーペンター監督、カート・ラッセル主演の『遊星からの物体X』として、再映画化もされている。
でも映画は原作と全然違っていたし、出来もあまり良くないと思う。
原作の宇宙人は、犬でも牛でも人間でも、なんにでも同化してしまうという特徴を持っていて、しかもそれが誰なのか分からない。
その結果、基地のクルー達が「あいつが宇宙人なんじゃないか」「いや、こいつかもしれない」とお互いを疑い始め、皆が疑心暗鬼になるという、誰も信用できない恐怖と孤独が描かれる。
なのに映画版の恐怖はただ単に、「宇宙からモンスターみたいな宇宙人がやってきて、私たちの命を脅かす」という恐怖感。単純に「きゃーこわい」みたいな感じになってた。
単純。
でも百歩譲って、「いやいや、映画は全く別物なのだから」と気分を変えて見てみても、それでも出来がいいとは決して言えない。
だってこの宇宙人であるモンスターは、”植物系” という設定になっているのに、ちっとも植物系じゃないんだもの。
2メートルはあろうかという巨人で、ちゃんと両手両足に頭もあって、どう見てもフランケンシュタインの怪物にしかみえないの。
これのどこが植物系なんだろう。せめて『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1960)』みたいにしてくれないとなあ。
おまけに登場人物たちはこの植物系?の宇宙人を、すごく知性が高いみたいに語っていたけれど、そのお姿はやっぱり映画版のフランケンシュタインの怪物みたいに動きが緩慢で、両手を上げて「うおー」「うおー」と知性のかけらも感じられない。
なんかなー。なんで「植物系」とかいう設定にしたのかなー。別に「人型宇宙人」で良かったのに。
私が思うに、これは当時としてもB級作品なんじゃないかしら。
少なくとも、ジョン・W・キャンベル・Jrの『影が行く』の映画化としては、ちょっと認められない。
制作に携わった名監督のハワード・ホークスが、実際はほとんど監督していたという話があるけど、監督としてクレジットされなくて良かったんじゃないかとさえ、私は思った。
残念。
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