ぱっとみ映画感想ブログ

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夢のチョコレート工場(1971)

 

 

 

 

 

映画『夢のチョコレート工場』のデータ

題名 夢のチョコレート工場(Willy Wonka & the Chocolate Factory)
監督 メル・スチュアート
原作 ロアルド・ダール「チョコレート工場の秘密」1964年
出演 ジーン・ワイルダー、ピーター・オストラム、ジャック・アルバートソン
音楽 ウォルター・シャーフ、アンソニー・ニューリー、レスリー・ブリッカス
上映時間 100分
制作年 1971年
制作国 アメリカ

 

 

映画『夢のチョコレート工場』のあらすじ

ひどく貧しい家庭に生まれたチャーリーは、駄菓子を買うお金もない。

ある日、ウィリー・ウォンカの超有名チョコレート工場が、抽選の当選者を工場に招待すると発表。でもチョコに入った当たり券は世界でたった5枚しかないから世界中が大騒ぎ。チョコを買うお金がないチャーリーが、拾ったお金でチョコを買うとなんとそこに当たり券が入っていた!

そして大好きなジョーおじいちゃんと一緒に工場見学に行ったチャーリーが、夢のような魔訶不思議な体験をする。

 

 

映画『夢のチョコレート工場』の感想

4人のおじいちゃんとおばあちゃんが、「4人そろって寝たきり」には笑った。しかも大きなベッドに、それぞれおじいちゃんとおばあちゃんがペアになって、あっちからとこっちから二人ずつ入って寝ていてほっこり。

 

この作品をリメイクして大ヒットしたのが、ティム・バートン監督 ジョニー・デップ主演の『チャーリーとチョコレート工場(2005)』 だけど、私はオリジナルの方が遥かに好き。

ジョニデ版は、そりゃあもう映像とか特撮的には雲泥の差だし、ウォンカとウンパ・ルンパたちの秘密にも迫っていて良かったけど、チャーリーよりもウォンカが主役みたいになっていたと思う。

でも、この映画の主役はチャーリーだから(誰が何と言おうと)。題はウォンカかもしれないけど、でも映画の主役はチャーリーなの(誰が何と言おうと)。

彼の健気さが伝わってくるのは、断然こっちのオリジナルの方。

 

チャーリーの一家の貧しさは本格的で、祖父母たちは寝たきり、父親はいない、母親が洗濯屋で働いて生計を立てるハードモード。

チャーリーが新聞配達をして家計を支えているけれど、もらった僅かなお金からパンを買ってみんなの夕飯にして、残りの一部を母親に「これ使って」って渡して、さらに残りをジョーおじいちゃんに「これで煙草買って」って渡していた。

独り占めはもちろんのこと、お母さんに全額渡したりしないの。

使い方をチャーリーが決めているということは、稼いだお金はちゃんとチャーリーのものなのね。自立してる。そしてお母さんやおじいちゃんも、それを当然だと思っているようだけど、でもこれってなかなか出来ないことだと思う。これが日本だったら全額お母さんに渡すと思う。万一、子供が割り振りとかしたら親が口を出すと思う。

こういう、考えてみれば当たり前のことが自然に描かれていてすごく良かった。

 

おまけにチャーリーは、年に一度の誕生日でしかもらえないチョコレートまでみんなに分けてあげようとしていた。エンゼルパイみたいな、小さなチョコなのに・・・

それにジョーおじいちゃんはチャーリーがくれた煙草代を、煙草を買わずにチャーリーのためにチョコレートを買ってあげたりして、貧しい中みんながお互いを思いやりあって、すばらしい家族なの。

 

・・・・・・・・・・・それなのに他のガキどもはなんだ!

 食い意地が張り倒しているオーガスタス、父親の財力を利用してチョコレートを買い漁り、従業員を総動員して包装紙を剥かせるベルーカ、いま嚙んでるガムが3か月噛みっぱなしのガム大好きバイオレット、TVで暴力的な映画ばかり見ているカウボーイ姿のマイク。

 舐めた悪ガキたちばかり。ハッキリ言って憎めた。

 

やっぱり私にとってこの映画は、チャーリーに始まりチャーリーに終わる、チャーリー、チャーリーな映画なのだった。