ぱっとみ映画感想ブログ

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夜歩く男(1948)

 

 

 

 

 

映画『夜歩く男(1948)』のデータ

題名 夜歩く男(He Walked by Night)
監督 アルフレッド・L・ワーカー、アンソニー・マン(ノンクレジット)
出演 リチャード・ベイスハート、スコット・ブレイディ、ウィット・ビッセル
上映時間 79分
制作年 1948年
制作国 アメリカ

 

 

映画『夜歩く男(1948)』のあらすじ

ロサンゼルスではここのところ、手口を残さない巧妙な殺人事件が続発していた。

ある日の深夜、警官がラジオ店をのぞき込む男に声をかけると、男は銃を取り出し続けざまに3発発砲。警官は入院を余儀なくされる。

近くに男のものと思われる車と、多くの証拠品が発見される。開錠ツール、手袋、米軍払い下げのラジオ、数丁の拳銃、そしてニトログリセリン。撃たれた警官は男の人相を知っているし、目撃者もある。にもかかわらずロス市警は犯人に迫れない。

一方、犯人のロイ・モーガンは隠れ家で警察用無線を聞き、警察の動きを把握していた。ロイは盗品の電子機器を改造して金を稼いでいたが、とうとうそれが盗品だとバレてしまう。

事件を担当する刑事マーティとチャックが張っているのも知らず、金を受け取りに来たロイは、チャックと撃ち合いになり、お互いが負傷してしまう。

その後も次々と店を襲い強盗を働くロイ。マーティは下半身不随となった相棒チャックの「状況から言って元警官ではないか」とのアドバイスを元に、ロス市警の刑事たちを洗い始める。するとロイが過去に警察で働いていた無線技士であることを突き止める。

とうとうロイが根城とするアパートを警官が取り囲む。追っ手の気配を察知したロイは、逃亡時にいつも使っていた地下の雨水排水トンネルに逃げ込む。

 

 

映画『夜歩く男(1948)』の予告編

www.youtube.com

 

 

映画『夜歩く男(1948)』の感想

題名に心惹かれての視聴。とても頭のいい単独犯にロス市警が振り回される。

ほぼ夜のシーンで、フィルムノワールらしいモノクロ画像の美しさと、後半の地下トンネルでの犯人と刑事たちの攻防は『第三の男(1949)』を連想させる。

 

犯人のロイを演じたのはリチャード・ベイスハートという俳優。セリフも少なく、一度も笑わないなど、表情が少ない役だけれど、この方演技派なんじゃないかな。

刑事のチャックと撃ち合ったあと、脇腹にとどまっている銃弾を麻酔もかけずに鉗子で取り出し、自力で縫合するシーンがあるけれど、画面に映るのはほとんど顔の表情だけという演出だった。

このロイの表情を見ているだけで痛みや苦しみが伝わってくるという、いい演技、いい演出だった。この映画の見どころの一つだと思う。

私は初めて見る俳優だと思ったけど、私の好きな『タイタニックの最期(1953)』に出ていたらしい。今度見直してみよう。

 

もうひとつの見どころは、ラストの地下トンネルでの攻防。最初にも書いたけれど『第三の男』を髣髴とさせるけど、公開されたのはこっちの方が早い。

じっくりしっかり時間をかけてロイとそれを追う警官たちを描いていて、相当スリリング。ここはぜひ見比べてみたいところ。

 

でもなによりこの映画の一番の特徴は、犯人ロイの生い立ちや犯行の動機がまったく語られないこと。ロイがなぜこのような犯行をはじめたのか、その目的は何なのか、なにも分からない。

映画は前半から半ば過ぎくらいまで説明的なナレーションが、正直言って邪魔なほど入る。それなのに肝心のロイのことは何も分からない。

この辺りをどう捉えるかで映画の評価や好みが分かれそう。

 

私は「悪くはない。でも印象に残りにくい作品だな」という感想。

やっぱり動機が分かった方が「そういう訳だったのかあああ」とか「え、そんな理由で?」とか、もっとしっかりとした印象が持てそうだと思った。

もったいない。社会派しちゃえばよかったのに。

 

 

夜歩く男(字幕版)

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