ぱっとみ映画感想ブログ

1999年までの映画 特化型ブログです

宇宙のデッドライン(1960)

 

 

題名 宇宙のデッドライン(Beyond the Time Barrier)
監督 エドガー・G・ウルマー
出演 ロバート・クラーク、ダーレン・トンプキンス、ウラジミール・ソコロフ
上映時間 75分
制作年 1960年
制作国 アメリカ

 

 

1960年、空軍パイロットが実験中、偶然に時空を超えて遥か未来の2024年に行ってしまう。そこでは1970年から流行した疫病のせいで人類は絶滅しかけていた。生き残った人類はほぼ全員がミュータントとなっており、わずかに知性を保つ人々も言語中枢をやられて唖になり、生殖能力も失っていた。

唯一子供が産めるトリエンヌと主人公をくっつけようとする未来人たち。しかし主人公は元の時代に戻って人々に警告し未来を変えることで、トリエンヌやミュータントたち人類全体を救おうと考える。いざ過去へ戻ろうとする主人公だが、主人公にとってかわって過去で生きながらえようとする人たちに邪魔をされてしまう。

 

 

どういう理屈で未来に行けたかというと、主人公が乗るジェット機の速度に、地球の自転速度、公転速度、太陽系全体が銀河を回る速度、銀河が宇宙を回る速度が合わさって、時空を超える速度が偶然ぴったり出てしまったというもの。

 

じゃあ戻るには逆方向に向かって同じ現象を起こせばいいというわけ。

・・・うーん逆に回ると速度が相殺されてスピードに乗れない気がするのだけど、どうなんだろう。

 

それから、今現在を変えたいと思った時、過去に戻って過去を変えれば未来が変わるから、それから今現在に戻れば今が変わってて良かった、みたいな考え方は、私が10代くらいまでは有効だった気がするけど、

最近のパラレルワールドの考え方は、過去に戻って過去を変えても、「過去に干渉した世界」と「干渉がなかった世界」の二つに未来が分裂しちゃうから、自分は「干渉した世界の未来」に行くだけで、出発してきた時代は何も変わらずそのまんまだと思う。

この映画の場合、いま目の前にいるトリエンヌたちの世界は何も変わらず進んでいき、主人公が過去に干渉したあとのトリエンヌの世界がパラレルワールドとしてもうひとつ、どこかに現れるだけだと思うなあ。

 

まあそんなことはどうでもいいとして、映画の特徴はとにかく三角三角で、三角のモニター、三角の扉、三角の窓、逆さのピラミッドが天井から部屋中に下がっていて、とにかくすごく▽▼△▲だった。いかにも50年代60年代の描く未来っぽい美術。すごく邪魔そうだった。

 

そしてハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、良く分からない終わり方。

これは未来に希望を託したということで、ハッピーを期待する終わり方なのかな。