
- 映画『ジェリー・ルイスの底抜け大学教授(1963)』のデータ
- 映画『ジェリー・ルイスの底抜け大学教授(1963)』のあらすじ
- 映画『ジェリー・ルイスの底抜け大学教授(1963)』の予告編
- 映画『ジェリー・ルイスの底抜け大学教授(1963)』の感想
映画『ジェリー・ルイスの底抜け大学教授(1963)』のデータ
題名 ジェリー・ルイスの底抜け大学教授(The Nutty Professor)
監督 ジェリー・ルイス
脚本 ジェリー・ルイス
出演 ジェリー・ルイス、ステラ・スティーヴンス
上映時間 107分
制作年 1963年
制作国 アメリカ
映画『ジェリー・ルイスの底抜け大学教授(1963)』のあらすじ
科学が専門の大学教授ケルプは、出っ歯でド近眼で全くイケてない冴えない男。でも自分の生徒の女学生ステラだけはなぜか優しく接してくれる。
そんなケルプがある時偶然、イケメンのモテ男に変身する薬を発明する。薬を飲んだケルプは歌もピアノも達者な最高にいかした男 ”バディ・ラブ” に大変身。ステラを猛烈に口説き始めるが、薬の効果はわずかしか続かず、自分の正体がケルプだとバレそうになってしまう。
ケルプはステラに真実を知られるのを恐れながらも、バディに変身する誘惑には打ち勝てず、昼間はケルプ、夜はバディ・ラブとして二重生活を送るが、毎回途中で薬の効果が切れてしまう。おまけにバディの傲慢さが増長し、トラブルも多発。ケルプは疲弊し、徐々に手に負えなくなっていく。
そしてケルプは学部長の命令で大学のダンスパーティに、バディとしてもケルプとしても出席しなければならなくなり大ピンチだ。
パーティ当日、途中でバディに変身したケルプだが、バンド演奏をバックに歌を歌い始めた途端、大勢の目の前で薬の効果が切れ始めてしまう。
映画『ジェリー・ルイスの底抜け大学教授(1963)』の予告編
映画『ジェリー・ルイスの底抜け大学教授(1963)』の感想
大傑作とはいかないし、好き嫌いが分かれると作品だと思う。それに令和の道徳観とは相容れない作品かもしれない。
けれど、それでも私はこの映画が好きだー。
原案はスティーヴンソンの名作小説『ジキルとハイド』で、1996年にはエディ・マーフィー主演で『ナッティ・プロフェッサー 』としてリメイクもされている。
ちなみにこのリメイク版はオリジナルの良さを台無しにした駄作。不快過ぎた。
オリジナルはちゃんと『ジキルとハイド』に対してのリスペクトがあるのに、リメイク版はそれもどこかに行っちゃってる。
あんなものを見るくらいなら、80年代の後半あたりに田代まさしがやっていた深夜ドラマの方がずっといい。題名は確か『H and 1/2』だったと思うけど、コロンを付けるとお洒落なイケメンになるという今作のリメイク的なドラマで、私の大好きなドラマだった。
ほんとに田代まさしが洒落ていて、ドラマも面白くて、毎回楽しみに見ていた。たしか可愛かずみがヒロインだったと記憶している。
それなのになんだ、エディ・マーフィ版は。下品すぎ。見ていて耐えられなかった。
ま、そんなことはどうでもいい。
今作は脚本から監督から主演まで、ジェリー・ルイスが自分で何もかもをやっている。ジーン・ケリーなんかもそうだけど、昔の芸人系スターはそういう人が多い。
ルイスは最初は冴えない科学ヲタクとして登場するけど、途中からは超イケメンとしても登場。変身後のバディ・ラブが現れた途端、周りの客が男も女も全員、唖然とルイスを見つめるけど、それはあまりにもイケメンだから。
バディのあまりの格好良さに目を奪われる男女をカメラがなめるようにパンしていき、満を持してバディを写す。
とまあここで、観客はちょっとズッコケると思うんだよね。ジェリー・ルイスは十分ハンサムなんだけど、ブラピとかじゃないからそこまでハンサムではない。体形もスマートとは言えない。なので若干滑稽に感じるけれど、あららどうして、最後まで見続けていくとホントにハンサムに見えてくる。ほんとにイケメンに見えてくるんだなあ。
それからケルプの方、冴えないダメ男の演技が現代だと批判されそうだけど、この映画を見れば分かるようにジェリー・ルイスがみんなが大好きな志村けんや加藤茶に多大な影響を与えていることは一目瞭然。
志村けんや加藤茶を敬愛したり尊敬したりしておいて、ジェリー・ルイスを批判したり馬鹿にするってのはないよ。それはない。
志村けんや加藤茶が自分が演じるダメ男を馬鹿にしてるかどうかは知らないけれど、ジェリー・ルイスに関してはケルプを馬鹿にしてるわけじゃないってことは、映画を見れば分かる。
どちらかと言えばバディを批判的に、ケルプを好意的に描いてるんだから。
だからこそ、ラストのケルプの告白が胸に刺さる。
「自分を愛そう。長く付き合うんだから。
自分で自分を嫌っていては人生は悲惨だよ」
このケルプのセリフはほんとに泣ける。
ほんとそう。自分を愛そう。別の誰かになんて、ならなくていい。
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