題名 処刑ライダー(The Wraith)
監督 マイク・マーヴィン
出演 チャーリー・シーン、ニック・カサヴェテス、シェリリン・フェン、ランディ・クエイド
上映時間 93分
制作年 1986年
制作国 アメリカ
80年代ハリウッド的娯楽作。ティーン向けかな。このあとぐんぐんスターになっていくチャーリー・シーンの出世作のひとつ。
車高が低くて地面に吸いつくように走る黒いデロリアン的な、というかテスラ車的な車と、改造車のカー・チェイスが見どころ。
アリゾナの田舎町に、仲間と車狩りをしているパッカードというイカれたクソ野郎がいて、いい車を持ってる奴にレースをふっかけて、奪い取った車を改造して遊んでいる。パッカードはケリーというイケてる女の子に粘着していて、嫉妬心むき出しでつきまとっている。
そんな町にバイクに乗った流れ者のジェイクが現れ、ケリーの周りをうろつき始める。それと前後してどこからともなく黒づくめの覆面車が現れ、パッカードたちを成敗しはじめる。ジェイクと覆面車の関係は? ジェイクは一体何者なのか。
当時も見たけど、今回見直したら思っていたよりずっと面白かった。私この映画好きよ。
マッドマックスやナイトライダーに影響を受けていそうなカー・アクション映画だけど、これがファンタジー的なゴースト映画になっているという、不思議な世界観。
とはいえファンタジーに振り切った世界ではなく、現実世界の地続きで、何とも言えない絶妙な“不思議感”がある。微妙に不思議。そのバランス感覚がこの作品の魅力になっている。
ラストで二人が去っていく姿をみていると、理屈で考えたらなんだかおかしなことなのだけど、でもむしろその理屈に合っていないところが、二人は特別な、別の世界の特別な二人みたいな感じがして肯定的に思えたもん。
そして80年代らしく、冒頭からサントラにロックのヒット曲が使われているところも懐かしくていいし、若干大雑把な演出や、コメディ的なところも80年代ぽくていい。ジェイクとケリーがキスしているところを見ているパッカードが、毎回うっすら涙目になってるところとか、じわじわ笑えてくる。
それにしてもパッカードの手下たちのひとりにスカンクってやつがいて、工業用アルコールか何かをキメて脳みそが溶けてるモヒカン男がでてくるけど、あんなやつホントにおんの笑 アメリカにはいるのかね。
あと、私の大好きな映画『マジック・ボーイ(1982)』で主役だったグリフィン・オニールが、パッカードの手下役でちょろっと出てて、悲しかった。これを見たらスターにはなれないことが一目瞭然。それが確認できる映画でもあった。とても悲しい。