ぱっとみ映画感想ブログ

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将軍たちの夜(1967)

 

 

題名 将軍たちの夜(Die Nacht der Generale)
監督 アナトール・リトヴァク
出演 ピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、ドナルド・プレザンス、ジョアンナ・ペティット
上映時間 149分
制作年 1967年
制作国 アメリカ、イギリス、フランス

 

 

第二次大戦下のポーランド、ワルシャワ。娼婦の惨殺死体が発見される。犯人が立ち去る姿を、便所のドアの割れ目から覗いていた男がいたが、彼が見たのは犯人のズボンのみ。そしてそのズボンはナチスの将軍が履く、真っ赤なラインが入ったズボンだった。

容疑者は3人の将軍に絞られる。軍内で捜査が行われるが、その途中で再び娼婦の惨殺死体が発見される。犯人の将軍は部下に罪をなすりつけてうまく逃げおおせるが、戦争が終わり戦犯として牢に入れられる。20年の時を経て出所した将軍は、三度娼婦を惨殺。長い時を超え、彼はとうとう追い詰められる。

 

 

第二次世界大戦中のドイツが舞台。ナチスドイツを取り扱っているのに「誰が娼婦を殺したのか、その人物像」という娯楽作で、その容疑者が物凄く偉い将軍たちというのが面白い。

それにナチスの制服や敬礼などの美しさも堪能できる。

 

タンツ将軍を演じたピーター・オトゥールが、 ”抑えた演技なのに怪演” という感じで、圧巻。

私は原作も読んでいるけれど、原作では特にページを割いているタンツ将軍の潔癖さ、神経質さ、「あなたビョーキですよ」と言いたくなるほどの執拗さを、「原作からそのまま抜け出してきました」と言ってもいいくらい見事に演じ切って見せてくれた。

 

もちろんピーター・オトゥール以外の俳優たちも皆うまい。

物語自体の面白さ、複雑な原作を見事にまとめた脚本、セットや美術、衣装の見事さもさることながら、役者を見る映画だった。

 

 

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