
映画『深夜復讐便(1949)』のデータ
題名 深夜復讐便(Thieves' Highway)
監督 ジュールズ・ダッシン
出演 リチャード・コンテ、ヴァレンティナ・コルテーゼ、リー・J・コッブ、バーバラ・ローレンス、ジョセフ・ペヴニー、ジャック・オーキー
上映時間 94分
制作年 1949年
制作国 アメリカ
映画『深夜復讐便(1949)』のあらすじ
戦争から帰還したニックは実家に戻るが、父が両足を失っていることを知る。父はトラック運転手として働く中で、悪徳商人フィグリアに危険な仕事を押し付けられ事故に遭っていた。怒りと衝撃に駆られたニックは、フィグリアへの復讐を決意する。
まず父のトラックを奪ったエドに会いに行くが、エドは抜け目のない男で一筋縄ではいかない。やがて二人は利害の一致から手を組み、リンゴをサンフランシスコへ運ぶ仕事を請け負う。上質なリンゴを仕入れ、オンボロのトラックで旅に出るが、その利益を狙う同業者ピートとスロブに付きまとわれながらの道中となる。
苦労の末に辿り着いた先で、ニックはフィグリアの冷酷で強欲な本性を目の当たりにする。また、彼の指示で近づいてきた女リカと出会うが、お互い次第に惹かれ合っていく。ニックは駆け引きの末に金を手にするものの、結局はフィグリアの手下に襲われて奪われ、リカも巻き込まれて傷ついてしまう。さらに相棒エドも事故で命を落としていたことが明らかになる。
そこへ婚約者が現れるが、ニックの状況とリカの存在を知り、彼のもとを去っていく。すべてを失い追い詰められる中、フィグリアが父や自分だけでなくピートとスロブをも欺いていること、さらに死んだエドのリンゴまで奪おうとしていることを知り、ニックの怒りは頂点に達する。
ついにフィグリアのもとへ乗り込むニック。怒りに任せてフィグリアを殴るニックだが、それも虚しい。最後に彼はリカとともにサンフランシスコを去り、新たな道へと歩き出すのだった。
映画『深夜復讐便(1949)』の予告編
映画『深夜復讐便(1949)』の感想
トラック運転手ニックを主人公に、彼の復讐と現実の厳しさを描いたフィルム・ノワール。 悪徳業者に父親の両足を奪われ、怒りに燃えたニックがその復讐に向かう。
前半は割と淡々と進むけど、話が進むに従ってグングン面白くなってくる。それは出てくる登場人物たちがこぞって魅力的なのがその理由だと思う。
まず、悪徳商人フィグリアは、とにかく金金金金で、金になるなら何してもいい、騙そうが脅そうが奪おうが殴ろうが、金のためならなんだってあり、野卑で暴力的で下品という感じ。
でも逆に言えばバイタリティが旺盛で、状況によっては頼もしい男。例えば戦後まもなくとか、世紀末が来ちゃったとか。そういう時はフィグリアが父親とか旦那だったら食いっぱぐれなくて済みそう。
そんな感じに、頼もしいと思えばかなり魅力的で、私は結構好きなタイプ。
それから途中でくっついてくるピートとスロブも憎めないキャラで、前半は活躍の場がないけれど、半ば過ぎから目立ってくる。
特にジャック・オーキー演ずるスロブは、相棒のピートが死んだエドのリンゴを拾って売ろうと言い出すと俄然反対。「お前本気か?そんな非人情なことはできない」となって、ピートと袂を分かったりして、なかなかイイヤツ。
それでもピートが結局フィグリアに騙された時は、ちゃんと相棒としてピートの味方していたりして。
「こいつら悪い奴らじゃないかもね」的にチャーミングな存在だった。
そして街娼なのかな? ヴァレンティナ・コルテーゼ演ずるリカが良かった。美人だし、ショートのくるくるパーマが似合ってるなどルックスがいいし、人間的にも魅力的。
海千山千の男たちを相手に、一人で逞しく生き抜いてきた女が持つ渋さがあって、うっかりすると騙されそうでもあるけれど、気に入られれば凄く愛情深くて優しい。親しくなれば一緒に地獄までも付き合ってくれそうな、そんな魅力がある。
そんな感じに、主人公ニックよりもフィグリア、ピート、スロブ、リカの4人が映画を一段面白く持ち上げた功労者だと思う。
ところでリカを演じたヴァレンティナ・コルテーゼという女優さん、イタリアの名女優らしくて、ざっと調べた限りだとジャクリーン・ビセットが出た『アメリカの夜』にも出ているらしい。DVDを持っているのにまだ見ていないから、今度見てみよう。
