映画『猛獣大脱走(1984)』のデータ
題名 猛獣大脱走(Wild Beasts)
監督 フェデリコ・プロスペリ
出演 ジョン・アルドリッチ、ロレーヌ・ド・セル、ルイザ・ロイド、ウーゴ・ボローニャ
上映時間 92分
制作年 1984年
制作国 イタリア
映画『猛獣大脱走(1984)』のあらすじ
まだまだ公害が深刻だった80年代初頭。工場が垂れ流す産業廃棄物で汚染された排水が、泡を立てて街の下水を流れていた時代。その排水に微量の麻薬物質が含まれていたことから、それを飲んだ動物たちが狂暴化し、街中で暴れまくる。
まずはドブネズミたちが大量に地上に現れ、人間たちを喰いつくす。そして動物園では象たちが狂暴化し、塀を壊し、その影響でコンピューター制御された動物園の檻が開錠してしまう。ライオン、トラ、ヒョウ、シロクマなど、猛獣が街を徘徊し人々を襲う。街では家畜も暴れだし、牛や馬の大群に店は壊される。空港では紛れ込んだ象のせいで着陸しようとした飛行機が炎上。大惨事を引き起こす。
映画『猛獣大脱走(1984)』の予告編
映画『猛獣大脱走(1984)』の感想
動物パニック映画。結構面白かった。
中1だったか忘れたが、それくらいの時に映画館で見た。確かジャッキー・チェンの『プロジェクトA』と同時上映だったはず。
でもとにかく猛獣が襲ってくる映画としか覚えておらず、絵的には猛獣が夜の街を徘徊しているシーンだけが記憶にある。
当時問題となっていた環境汚染がテーマの作品で、映画は冒頭から(大分わざとらしいとは言え)人間が汚しまくった都市部が映し出される。
そしてそれが原因で、自然に復讐され、おびえる人類の話。
今回見直してみたら、相当エグイ描写でてんこ盛り。鼠に喰い散らかされる男女とか、象に踏みつぶされる女とか、ライオンに喰い散らかされる男とか、もう血だらけ。それだけでなく、その傷とか死体とか、かなりリアルな描写でスプラッター映画並み。目をそむけたくなるほど。
ここまでドギツイ描写がされてたのね。全く記憶にない。
そして出てくる動物たちはもちろん生きている本物なので、迫力満点。たぶんドブネズミを焼却するシーンも本物の鼠を燃やしていたと思う。
そして対する人間様は、動物園の獣医が中心に話が進むのだけれど、その恋人の女記者が毒親だった。
小学生くらいの娘がいるんだけど、仕事ばかりで娘そっちのけ。やや反抗的になっている娘が出す、ひねくれたSOSにも全く気が付かないばかりか、「殺してやりたい」みたいなことを言っていた。
そしてラストの衝撃展開。 まあベタと言えばベタだけど、水に麻薬成分が含まれていれば、こういうこともあるかもね。
若干B級映画感はあるけれど、普通に街中を猛獣が徘徊する様は、本物を使っている強みで迫力があるので、結構見られる作品になっている。
少なくとも見たら記憶に残るはず。
ところで、今回気が付いたんだけど、全編英語で撮影されたイタリア映画だった。
80年代初頭なんて、外国人といえば全員アメリカ人だと思うような時代だったし、映画の作りも思いっきりハリウッド映画と同じだから、まさかイタリア映画だったとは思わなかった。
音楽も80年代な感じがして、角川映画の音楽センスを思い出して懐かしかった。