映画『窓(1949)』のデータ
題名 窓 (The Window)
監督 テッド・テズラフ
原作 コーネル・ウールリッチ 短編「The Boy Cried Murder」
出演 ボビー・ドリスコール、アーサー・ケネディ、バーバラ・ヘイル、ポール・スチュワート、ルース・ローマン
上映時間 73分
制作年 1949年
制作国 アメリカ
映画『窓(1949)』のあらすじ
嘘つき少年トミーはいつも作り話ばかりして周囲を困らせる。友達も両親もトミーのことをてんで信じていなかった。
そんなある真夏の熱帯夜、暑すぎて眠れないトミーは非常階段で寝ることを思いつく。ママの許可も取って非常階段で寝ようとするが、もっと涼しそうな一階上まで登ると、上の階の住民の部屋をのぞいてしまう。そこでは殺人が行われていた。
早速両親に話すトミーだったが、いつもの行いが災いして信じてもらえない。警察に行くがそこでも信じてもらえない。ママの行動がきっかけでトミーが犯行を覗いていたことを犯人たちに知られ、トミーは命を狙われるようになる。
映画『窓(1949)』のワンシーン(殺人シーン)
映画『窓(1949)』の感想
日本ではウィリアム・アイリッシュ名義の方で有名な、コーネル・ウールリッチ原作と知って視聴。
嘘ばかりついていたオオカミ少年が初めて本当のことを言うが信じてもらえず、危機一髪の恐怖を経験して改心する話。
トミーを演じたボビー・ドリスコールくんは当時12歳くらい。
ウォルト・ディズニーのお気に入りで、この後『宝島』の1950年リメイク版の方で主役のジム・ホーキンスを演じている子。
『宝島(1950)』でのボビーくんは、ショックを受けたりしたときの表情の時、眉毛が激しく動いて眉間や鼻にしわが寄って、「ガビーン!」みたいな、漫画みたいな表情をするのだけれど、今作でもすでにその予兆が感じられた。特に左の眉毛の動きが特徴的。
物語自体はイソップ物語のオオカミ少年の話なのだけど、このボビーくんのハラハラドキドキ迫真の名演技でなかなかみられる作品になっている。
それから40~50年頃のNYの典型的な集合アパート住宅が見られるのもいい。ヒッチコック映画や『ウェストサイド物語(1960)』などにもみられる、外に非常階段が付いていて、一番下が梯子になっているあれ。
アパートとアパートの間に物干しロープを渡して、洗濯物がたくさん、ヒラヒラとヒラヒラと風にはためいているの。生活感が感じられていいね。
それに結構荒廃していたんだね。大恐慌の傷跡から立ち直れていない感じかな。