映画『恐竜100万年』のデータ
題名 恐竜100万年 (One Million Years B.C.)
監督 ドン・チャフィ
特撮 レイ・ハリーハウゼン
出演 ラクエル・ウェルチ、ジョン・リチャードソン
上映時間 105分
制作年 1966年
制作会社 ハマー・フィルム・プロダクション
制作国 イギリス・アメリカ合作
映画『恐竜100万年』のあらすじ
紀元前100万年のある日。主人公トマクの部族はまだ言語を獲得しておらず、毛皮をまとい、獲物を狩り、洞穴で暮らしていた。ある日、兄と争ったトマクは、父の怒りをかって部族から追い出されてしまう。はぐれ原始人となったトマクは荒野をさまよい、途中オオトカゲに襲われるなどし、命からがら海岸近くまでたどり着く。するとそこにはトマクの部族よりはるかに文明度の高い金髪の部族、シェル族がいた。
シェル族の美女ロアナに惚れられたトマクは、高度な技術や文化に接する。投槍を知り、魚を捕る方法や泳ぎを教わり、農耕を知り、さらには「飾ること」「笑うこと」を知る。トマクは兄や父に復讐しようとシェル族の優れた武器を盗もうとし、彼らの怒りをかってしまう。シェル族の集落から出ていくトマク。ロアナはそんなトマクと行動を共にすることを決め、追いかけていく。
恐竜同士の争いに巻き込まれながらも、トマクは元の部族へ帰還する。ロアナはみなに文明や文化を伝えはじめ、徐々に打ち解けていく。しかし火山が爆発し、大地は割れ、大勢の仲間たちが呑み込まれ、二人は残された人々とともに過酷な大地に残されるのだった。
映画『恐竜100万年』の感想
ダイナマイト・ボディを誇るセクシー系女優ラクエル・ウェルチの主演で有名な作品。とにかくラクエル・ウェルチの爆裂ボディが爆裂。
知っていたとはいえラクエル・ウェルチの「ダイナマイト・ボディ」は改めてすごい。知っていても凄い。凹凸(おうとつ)が凄い。正確には上から凸凹凸(でこぼこでこ)の順。これだけでもお金出して見る価値がある。
そしてその肉体を獣の皮のビキニで包んでいて超格好良い。とても似合っている。
時代設定が原始時代だからこその皮ビキニ・スタイルで、「原始時代ということは倫理観も動物並みなのかしら」なんて思いきや、そうはならず、「本能には忠実、でもすごく一途」という、惚れた男にどこまでも一途なキャラクター。
簡単に言うと「エロくて一途」。彼女はこの一作で、一躍セックス・シンボルに躍り出た。
今風に言えば、ビヨンセみたいな感じの女性だと思う。そういえばデスチャの曲『サバイバー』のPVのビヨンセが、ラクエル・ウェルチの衣装と似ていた。明らかにこの映画のラクエル・ウェルチがモチーフなのだと思う。
そしてあの特撮の神様レイ・ハリーハウゼンのストップ・モーションアニメも炸裂。
今回もブロントサウルスとかステゴザウルスとかティラノサウルス(?)とかプテラノドンとか、たくさんの恐竜が、ハリーハウゼンっぽさ満載の「カクカク」した動きで、動いたり闘ったり飛んだりして楽しませてくれる。
特に恐竜が原始人をさらうところ、中でもロアナがプテラノドンに捕まって巣に運ばれ、ヒナの餌になりそうになるところはユーモラスで良かった。
あとはステゴザウルスとティラノザウルスの闘いのシーンも見ごたえ十分。倒れた恐竜がアップになったりもするけど、ちゃんと腹式呼吸していてお腹が上下していたのには驚いた。手が込んでいる。
別にそこまでやらずとも、口から血を出して「死にました」ってことにしておいて、あとは人形を転がしているだけでもよさそうなのに・・・
オタクの鏡。
でも実はリメイクで、元の映画はヴィクター・マチュア主演のモノクロ映画 『紀元前百万年(1940)』。マチュア版は直訳なのに、ウェルチ版の『恐竜100万年』ってなんだろう、意味が分からない。
私はどちらも見ているのだけれど、ほとんどおんなじ映画で、
ラクエル・ウェルチの豊満ボディを取るか、ヴィクター・マチュアの男性筋肉美を取るか、といったところ。
100万年前が舞台で言語が発達していないという設定なので、セリフが「トゥマーック」とか「ロアーナ!」とか名前だけと言っていいレベルで、ほとんどサイレント映画並み。だけどちゃんと話は分かる。