
映画『海底6万マイル(1916)』のデータ
題名 海底6万マイル(20,000 Leagues Under the Sea)
監督 スチュアート・ペイトン
原作 ジュール・ヴェルヌ「海底二万里」1870年
出演 アレン・ホルパー、マット・ムーア、ジェーン・ゲイル
上映時間 98分
制作年 1916年
制作国 アメリカ
映画『海底6万マイル(1916)』のあらすじ
世界中の海で謎の怪物が船を襲うという事件が多発。巨大生物によって船を沈められるのを恐れた米国政府は、調査隊を派遣することを決め、その調査をフランスの著名な科学者アロナックス教授に依頼する。博士は娘と共にエイブラハム・リンカーン号に乗り込む。船には銛打ちネッド・ランドも乗っていた。
やがてリンカーン号は怪物と遭遇するが、それは生き物ではなく、ネモ船長率いる巨大な潜水艦「ノーチラス号」だった。戦いの結果、アロナックス教授と娘、ネッド・ランドは海に投げ出され、ネモ船長の捕虜となる。
同じころ、ボンド大尉が乗る気球が流され、海に投げ出されて漂流していた。ネモ船長は溺れるボンド大尉らを、部下を使って近くの島に運ばせる。そこは野生で育った娘が住む「神秘の島」と呼ばれる島だった。ネモは彼等に物資も提供するが、ボンドらはネモに救出されたことを全く気付いていなかった。
島で生活を始めたボンドたち。ボンドが仕掛けた落とし穴にかかった娘を救出。文明を知らない娘に服を着せ、行動を共にするようになる。
一方、アロナックス教授らはネモ船長共に海中を旅していた。一行は海底の絶景を目撃し、海中の危険と驚異を体験する。特にアロナックスは、文明社会から離れて海中で独自の理想社会を築こうとするネモ船長の理念に触れ、感嘆する。
しかし自由を愛するネッドは、ノーチラス号からの脱出を企てる。
ここでネモ船長の過去が語られる。
ネモ船長はかつてインドの王族であり、イギリスの植民地支配によって家族を奪われた人物であることが発覚。ネモは復讐心と人類への絶望から地上の文明を拒絶し、ノーチラス号という超科学的な潜水艦を建造して、海中に逃れたのだった。
それらを語り終えるとネモは絶命。部下たちは海中での埋葬を終えると、ノーチラス号を海中に沈めてしまうのだった。
映画『海底6万マイル(1916)』の予告編
映画『海底6万マイル(1916)』の感想
映画史上初の水中撮影や、当時としては画期的な合成シーンが見られるという触れ込みの本作。おまけに当時は軍事秘密だった本物の潜水艦を使用するという意味でも野心的な作品。
今回、見るのは3回目なのに、今回もまたストーリーを見失ってしまった・・・原作も読んでいるし、ディズニー制作の『海底二万哩(1954)』も見ているから前半は問題ないのだけれど、後半に行くに従って完全に離脱。
なんか三つくらいの話がくっついていて、入れ代わり立ち代わり語られている感じがするんだよね、、、
私の好きなコンセイユが消えて、アロナックス教授の娘に変更されていた。なのに彼女はなんの活躍もしない。
そしてネッドがモブキャラだった。帽子をあみだにかぶったいかしたポーズで登場したから期待したのに、何の脚光も浴びず。引きの映像ばかりだから、物語を知らなければどれがネッドか分からないレベル。
さらにネモ船長から知性が感じられなかった。極悪顔で、パイプ吸って座ってるシーンなんてアヘンに見えてくるし、ノーチラス号の上に乗って海上の様子をうかがっているお姿なんて、盗賊の親玉とか、旭日旗を頭に巻いて海上で悪さをたくらんでいる右翼のおじいさんみたいに見えた。それにイスラム教徒なのかアラーの神に祈ってた。
そのうえ「ネモ船長はインドの皇子様だったのです」と来れば、そりゃあ理性も見失うというもの。
でも、この映画はたぶん面白いんだと思う。
「たぶんって何だ」というのは、どうやら私は読んでいない『神秘の島』のストーリーが合体しているらしい。途中で出てくる ”神秘の島” ”野生の娘” ”ネモの宿敵デンバー” らへんは、みな『神秘の島』系のストーリーのよう。
最後の方にネモ船長の過去が語られるけど、ネモは本名をダーカー皇子といってインドの皇子だったけれど、妻に横恋慕する冒険家のデンバーに嵌められ投獄される。国民の反乱に乗じて脱獄するが、デンバーに暴行されそうになった妻は自らをナイフで刺す。真相を知ったダーカー皇子は、デンバーへの復讐を誓う、と。
おまけに途中で出てくる ”神秘の島” のヒョウ柄のくねくね女 ”神秘の娘” は、ネモの娘だったらしい。
娘がいたのか! 意外と家庭的な!
確かに原作や他の映画でのネモ船長には、何やら暗い過去があって復讐を目論んでいる風があった。家族がいたという描写もあったかもしれない。
でも多くは語られない。だからそこをガバッと広げた感じかしら。
それから、原作ではほとんど読むのが修行と化していたネモ船長の海底自慢。つまらない上に小説の約半分を占めてしまうというボリュームで、脱落しそうになるあの場面。
今作でもなんと15分もの時間を割いていた。しかも映像はかなり暗いし、砂が舞い上がってモヤがかかってっているような不透明な映像で何が写っているのかわかりづらい。それが延々で、これもかなりキツい。
そこ忠実にせんでええのよ。ディズニー制作の『海底二万哩(1954)』はその辺うまくやってたよ。
おまけに説明不足になりがちなサイレント映画なうえに、作品のテンポも遅い。
そしてあまりにも有名で、私の大好きなドヴォルザークの『新世界より』が延々流れているので、気が散って内容が頭に入ってこない。
なにより脚色が激しくてストーリーを見失い、「なにがなにやら」となってしまうのだった。
なかなか難易度が高かったなーーー。
追記:その後、2倍速か3倍速で見るとテンポが良くなって見やすい上に、賑やかな劇伴も消えて集中できることに気がついた。今度また見る気になったらそうして見よう。
👇 古い映画なので、Youtubeで full movie が見られるうえに、レストア版やカラーライズ版も見られるので、リンクを貼っておく。中間字幕が英語だけれど、映像だけならDVDを買うより間違いなく見やすいと思う。
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