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未知空間の恐怖/光る眼(1960)

 

 

 

 

 

映画『未知空間の恐怖/光る眼(1960)』のデータ

題名 未知空間の恐怖/光る眼(Village of the Damned)
監督 ウルフ・リラ
出演 ジョージ・サンダース、バーバラ・シェリー、マーティン・スティーヴンス
上映時間 77分
制作年 1960年
制作 MGM
制作国 イギリス

 

 

映画『未知空間の恐怖/光る眼(1960)』のあらすじ

ある村の住民が一斉に数時間気を失う事件が起こる。それから2か月後、村中の妊娠可能な女性全員が一斉に妊娠していることが発覚。そして一斉に生まれてきた12人の子供たちは感情がなく、知能が高く、光る眼を持っていた。

子供たちのひとりデイヴィッドの父で科学者のゴードンは、子供たちが以心伝心であることに気が付く。一人の子が得た知識が、瞬時に他の子どもたちにも伝わるのだ。

ほどなく世界中のあちこちで、同じような子供たちが生まれていたことも分かってくる。そのある村では子供たちを虐殺し、ある村では保護して教育するなど、対応はさまざまだった。

ゴードンは子供たちの能力を恐れる周囲の反対を押し切り、彼らを人類の発展に役立つよう育てるため、全員一か所に集めて教育を施すようになる。

しかしソ連では子供たちを核爆弾で町ごと吹き飛ばしたことが発覚。心が読める子供たちはその情報をキャッチする。さらに子供たちの一人が車にはねられそうになったことをきっかけに子供たちが暴走。自己防衛の名のもとに、大人たちを次々と死に追いやっていく。

ゴードンは自らの甘さを認め、責任を取るべく行動を開始する。

 

 

映画『未知空間の恐怖/光る眼(1960)』の予告編

www.youtube.com

 

 

映画『未知空間の恐怖/光る眼(1960)』の感想

クリストファー・リーヴでリメイクもされているSFホラーの有名作。『オーメン(1976)』のダミアンのような、悪魔的な子供たちの話。

一見したところでは、低予算映画だし、60年以上経った今見るとインパクトが弱い気もしたけれど、見終わってからじわじわと考えさせられて色々と思うところがでてきた。

「異質で能力の高い集団があなたのコミュニティに押し寄せてきた時、あなたならどうしますか」と問いかけてくる作品だと思う。まるで今の日本みたいなシチュエーション。

 

この映画の見どころは、眼が光る子供たちが、まるでクローンのように全員が金髪で、同じような髪型で同じ服装をし、いつも複数人で固まって同じ行動をするという世界観。

彼等には個性が全くなく、見るからに私たち人類とは異質な存在。それが明らかに知能が高く、こちらの考えていることを読む力があり、眼が光ると超能力を発揮して人を思うがままに操れるんだから相当怖い。

こんなミュータントが大量に生まれたら、人は恐れ混乱し、コミュニティが崩壊するのは理解できる。

 

映画では、「人類の危機として手遅れにならないよう彼らを排除しよう」という意見と、「高い能力を生かせるように保護しよう」という意見のふたつがでてくる。

アラン少佐は「知能が高くても、善悪の倫理観がないことが大きな問題だ」と言っていて、

ゴードン博士は「高い知能は捨てがたい。戦争や医学など、人類の課題を解決できるかもしれない。倫理観は教育でフォローできる」と言って、意見が対立してしまう。

 

まさに今、外国人たちが大挙して押し寄せてくるようになった日本じゃないか。

「出ていけ」「いーや彼らが必要だ」と、「金(経済)」と「安定した社会」の二つで意見が割れている。

そして甘ちゃんの日本人は、図々しい彼らをコントロールすることができない。文化や常識の違う相手を、日本のルールに従わせる難易度の高さを思うと気が重くなる。

 

映画ではゴードンが自分の意見をごり押しして、彼らに教育を施し、自分たちの常識を教え込もうとするけれど、彼らを思い通りにすることは出来ずに失敗する。

 

私はアランに賛成かな。価値観や倫理観が違うのは致命的だよ。

価値観が違う人同士はそう簡単に分かり合えないし、分かり合える可能性があるとしても膨大な労力と膨大な時間がかかる。

そして大した成果を手にできず、時間だけが過ぎていき、その隙に私たちの方がどんどん崩壊してしまうのだ。

 

と、この映画を見ながらそんなことを考えたのだった。

 

 

 

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