ぱっとみ映画感想ブログ

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毒薬(1951)

 

 

 

 

 

映画『毒薬』のデータ

題名 毒薬(La poison)
監督 サッシャ・ギトリ
出演 ミシェル・シモン、ジャーメイン・ルーバー、ジャン・ドゥビュクール
上映時間 85分
制作年 1951年
制作国 フランス

 

 

映画『毒薬』の詳しいあらすじ

ポールとその妻ブランディーヌはお互いを憎み合っていた。ブランディーヌは夫を殺そうと薬屋で殺鼠剤を購入し食器棚に隠しているし、ポールもアル中でワインばかり飲み、でっぷり太って風呂にも入らない妻を憎み、それを近所の人に隠そうともしない。ポールは神父に「妻を殺したい」と相談するし、実際に村中が二人の仲が悪いのを知っている。今夜も会話をしなくて済むようラジオをかけ、歌手が歌う愛の歌を聴きながらしかめっ面で夕飯を共にしていた。

それとは別に、村の人たちは自分たちの村が貧しいのを打開しようと、あるアイディアを持って神父の元を訪れる。彼らは「何か画期的な事件があれば、例えば私の知恵遅れの娘を ”リジューの奇跡” を真似て聖女に仕立て上げ、それを神父様が奇跡認定してくださればマスコミが来て村が有名になり、観光客が押し寄せるのでは」などと言い出し、神父に断られる始末。

一方、ポールは酔いつぶれたブランディーヌを前に、ラジオを聴きながら夕飯をしていると、ラジオから著名な弁護士のインタビューが流れてくる。彼は100件の訴訟に勝利し、殺人犯の無罪を勝ち取ったカリスマ弁護士だった。

ポールは早速そのオバネル弁護士を訪ね、自分が妻を殺してしまったと告白する。オバネルはいくつかの質問のあと、自白するようポールを促し、弁護士をつける際は自分を指名するようアドバイスする。

戻ったポールはオバネルとの会話で得た知識をもとに、ブランディーヌを殺害。そしてすぐに警察に出頭する。家宅捜索が始まるが、なんと同時にブランディーヌもポールのワインに殺鼠剤を入れており、あやうくポールが死ぬところだったことが発覚。状況はポールに味方する。

裁判が始まり、ポールはかつてないほど饒舌に自己弁護を開始する。おまけに画期的な出来事を心待ちにしていた村中の人は大喜び。マスコミが押し寄せ、観光客が集まり、村の誰もがポールに味方する。

裁判で無罪を勝ち取ったポールが村に戻ると、村の人は彼をヒーローのように迎えるのだった。

 

 

映画『毒薬』の感想

なかなかのブラック・コメディ。役者陣がかなりの実力者ぞろいで楽しめた。コメディとしても優秀。

 

最後、終わり方がずいぶんあっさりしていたけど、映画の始まり方は珍しい。

監督のサッシャ・ギトリ本人が登場し、この映画に出演する俳優たち、プロデューサー、カメラマンから美術、大道具小道具に至るまでのスタッフに挨拶をしてまわるという始まり方。それも念入りに5分間もかけている。

こういうオープニング・クレジットは初めて見た。斬新。

 

とにかく嫁(ブランディーヌ)が憎たらしい女で、憎たらしい上に人間失格レベルのアル中で、ずーーーっとワイン飲んでるの。夕飯の支度なんかはしてるけど、それ以外はずっと飲んでて、一度なんて亭主が帰ると床で寝てた。これは憎める。殺したくなるのも無理はない。

旦那のポールの方も太っていて別にいい男じゃないけれど、それでも人間的魅力は若干あった。

鶏が先か卵が先かが分からないので、ブランディーヌがああまで憎い女になってしまった原因はわからないけど、現状を見た限りでは嫁の味方をする人はなさそうね。

 

ポールは結構賢くて、妻を殺す前に弁護士に会いに行き、すでに妻を殺してしまったことにして弁護士からいくつものヒントをもらい、なおかつ事件発覚の暁には弁護を引き受けてもらう確約まで得て、それから満を持して妻を殺すのだ。

裁判になってからは、もう妻はいないし自信もつけたのか生き生きしちゃって、ここからはポールも若干憎たらしくなる。最後はヒーロー的な存在になっていたから、尚調子に乗りそうで憎い。

 

 

毒薬

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