
映画『血に笑ふ男(1937)』のデータ
題名 血に笑ふ男(Love from a Stranger)
監督 ローランド・V・リー
原作 アガサ・クリスティー「ナイチンゲール荘(Philomel Cottage)」1933年
出演 アン・ハーディング、 ベイジル・ラスボーン 、ビニー・ヘイル、 ブルース・セトン
上映時間 86分
制作年 1937年
制作国 イギリス
映画『血に笑ふ男(1937)』のあらすじ
仮病ばかり使っている叔母やピアノ教師の友人と共に、慎ましい共同生活を送っていた貧しいタイピストのキャロル。キャロルはいつかパリに行くことを夢見つつ、唯一の趣味である宝くじに夢を繋いでいた。
そんなある日、お洒落な帽子や豪華な食事に気を取られつつ出勤すると、宝くじで一等が当選したことに気がつく。仕事を放って散財しながら帰宅したキャロルは、友人と共にシャンパンをあけ、ヨーロッパ旅行を計画する。
キャロルは3年ぶりに帰国した婚約者のロニーに宝くじのことを話し、仕事なんか辞めて一緒に行こうと誘うが、堅実なロニーに断られ、喧嘩の末破局してしまう。
キャロルは叔母を田舎へやり、家は人に貸してヨーロッパへ向かう準備をするが、その内見に訪れたロマンチックな紳士ジェラルド・ラヴェルと恋に落ち、瞬く間に結婚。
ところがラヴェルは女性ばかりを狙う連続殺人鬼で、じわじわとその本性を露にする。
映画『血に笑ふ男(1937)』の全編(予告編発見できず)
映画『血に笑ふ男(1937)』の感想
私が宝くじで5億円当たったとする。そしたら多分、キャロル同様仕事は辞めるだろうとは思う。
で、もう少し都心に近い立地で、月30万円くらいの家賃でマンションを借りる。もしくは同じくらいの金額で、ホテル暮らしをしてしまうかもしれない。でも今住んでいる団地の分譲はそのままにして、お金が無くなったときの押さえとして残しておく。
勇気を出して、世界一周旅行に行ってしまうかもしれない。食生活も贅沢になるだろう。
でも毛皮のコートは買わないなあ!
キャロルは宝くじに当たったその足で、早速欲しかった帽子を買い、すぐにミンクのコートみたいなのを買っていたけど、私は着飾るのが好きじゃないから、それはないな。
などと、どうでもいいことを書いてしまったが、実際キャロルは堅実とは言いがたい、散財しそうな女性として登場してくる(私もかもしれないけど)。
あれも欲しい、これも欲しい、宝くじに当たればその帰り道に、まだ換金してないから自分の貯金を下ろして帽子を買い、シャンパンを買って帰る。旅行に行けば超豪華スイートみたいな部屋に泊まる。
まあ1000万ポンドの当選と言っていたので5億円どころじゃないのかもしれないが、これじゃ堅実な婚約者ロニーがドン引きするのも無理はないし、ロニーのためには結婚しなくてよかったんじゃないかとすら思えてくる。
そんなキャロルが殺人鬼に騙され、怖い目をみるというストーリーで、これは『赤い靴』とか『パンを踏んだ女の子の話』みたいな、浮わついた女の子が怖い目をみる教育的なアンデルセンの童話がベースにあると思われる。
アガサ・クリスティの原作はどうだか分からないけれど。
ともあれ今作は、いわゆる「結婚した旦那がサイコパスで怖い男でした」という、わりとありがちな展開だけれど、まあまあの出来だと思った。
特に後半のキャロルとラヴェルの舌戦はなかなか見ごたえがある。
その末のどんでんがえしも控えめながら二度あって、「え、そんな展開なの!」と思わせて「違うんかーい」となってからの、そんなふうに死ぬのかー、伏線張ってたもんね!」という感じ。
まあまあ楽しめた。

