映画『タワーリング・インフェルノ(1974)』のデータ
題名 タワーリング・インフェルノ(The Towering Inferno)
監督 ジョン・ギラーミン
制作 アーウィン・アレン
出演 スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン、フレッド・アステア、フェイ・ダナウェイ、ロバート・ヴォーン、O・J・シンプソン
音楽 ジョン・ウィリアムズ
上映時間 165分
制作年 1974年
制作会社 ワーナー・ブラザース/20世紀フォックス 共同制作
制作国 アメリカ
映画『タワーリング・インフェルノ(1974)』のあらすじ
超高層ビルの最上階(138階)で、ビルの完成パーティ中に大火災が起きて阿鼻叫喚になる話。
映画『タワーリング・インフェルノ(1974)』の感想
言わずと知れたパニック映画の超有名作。
迫力のある火災シーン、バックドラフトの連続、あちらこちらで逃げ損ねる人々、火だるまのスタントマン、窓から落ちる人々、大ヒットには必須アイテムの猫と子供、活躍する主人公ダグ、消防士たちの奮闘、愚かで傲慢なヤツには罰もくだる、という息もつかせぬ展開。
3時間弱ある長い映画だけど、昔のハリウッド大作映画みたいなインターミッションも無しで、一気に突っ走る。迫力の映像と説得力のある演出でグイグイ引き込んで、全く飽きずに一気に見られる。
一気に見られなかったら、それは私の(あなたの)体力が落ちているせいであって、映画のせいではない。
ポール・ニューマンとスティーブ・マックイーンという2大スターの共演について、制作当時、二人の出演時間を同じにしたという噂があったのもつとに有名(あくまでも噂)。
実際は、映画開始からずっとポール・ニューマンが出ずっぱりで、40分経過くらいからスティーブ・マックイーンが登場して独壇場となり、最後の方でまたポール・ニューマンが活躍し始め、ようやく最後に二人が合流。
仲悪かったのかしら。
「2大スター対決映画」として見たら、ポール・ニューマンの方に分があったかな。
アクション・シーンが多かったし、フェイ・ダナウェイとのラブ・シーンもあったし、子供を助けたり、ビルの設計者として責任感とリーダーシップを発揮したりと、人物像が立体的に描かれていた。
スティーブ・マックイーンの方は消防士として職業的義務を果たす社会人の側面しか描かれていなくて、それ以外のプライベートな表情はゼロ。だから分が悪かった。
そもそもポール・ニューマンは「俳優」だけど、スティーブ・マックイーンはやっぱり「アクション俳優」だから、それがそのまま役柄の難易度にスライドしてる印象。
良かったのは、出てくる男女カップルがみんな年相応な点。50年代とか60年代とかのハリウッド映画って、熟年(初老くらい)の男と若い女のカップルってすごく多くて、私はそれを「男のファンタジー」と呼んで内心バカにしてるんだけど、この作品はその「男のファンタジー」要素を感じなかった。
例えばポール・ニューマンの妻役がフェイ・ダナウェイで、実際の年齢が49歳と33歳とかで、結構な年の差カップル。
でも映画を見ればわかるけど、フェイ・ダナウエイって渋いでしょ。大人。悪く言えば老けてる。だから見た目そんなに年の差があるなんて、絵面では思わない。49歳と43歳くらいには見える。
だから熟年カップルに見えて安定感があってよかった。70年代ともなると、さすがにファンタジーからリアリティ重視になってきたってことなのかしらね。
そして注目はこのフェイ・ダナウェイの登場の仕方。椅子に座って向こう側を向いて登場して、顔が見えないの。ポール・ニューマンが帽子をとってあげると彼女が立ち上がって、やっとお顔が拝めるんだけど、それが「はい、ちゅうもーく、大スター、フェイ・ダナウェイさんの登場です! ワー、ぱちぱちぱち。いよっ!待ってました!」みたいな出方。
ここすごく勿体つけていて良かった。好き。
あ、一個だけ文句も書いておく。大火災となったビルのオーナー、ダンカンが言うセリフがこれ。
引用:「今は神に祈るのみだ。惨事を繰り返さんように」
神に祈ってんじゃないよ。オメーが利益優先で建築費をケチったからでしょ。人が死んでんだよ。反省しろよ。