ぱっとみ映画感想ブログ

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ビッグ・トレイル(1930)

 

 

 

 

 

映画『ビッグ・トレイル(1930)』のデータ

題名 ビッグ・トレイル (The Big Trail)
監督 ラオール・ウォルシュ
出演 ジョン・ウェイン、マルゲリーテ・チャーチル、エル・ブレンデル、タリー・マーシャル
上映時間 107分
制作年 1930年
制作国 アメリカ

 

 

映画『ビッグ・トレイル(1930)』のあらすじ

殺害された友人の復讐のため犯人捜しをする主人公や、牛の大軍をオレゴンまで運ぶ悪党たちなど、西へ西へと新天地を目指して移動していった西部開拓時代の人々の ”旅そのもの” を描く。

 

 

映画『ビッグ・トレイル(1930)』の感想

仲間を大勢失ったであろう、過酷な旅だった。当時のアメリカ人は、こんなふうに西へ西へとアメリカ中に広がっていったんだなあ。

演出は割と地味で「引きの映像」が中心で、部分的にはドキュメンタリー・タッチに見えなくもない、娯楽性がかなり抑えられている感じが好感を持った。

たくさんの牛や馬、幌馬車を従えて、河を渡り、木を伐りながら森を抜け、険しい断崖をくだり、乾いた荒野を乗り越え、猛吹雪の吹き荒れる雪山をも越えていく。シャイアン族の襲撃にもあう。

崖下りなんて、崖が直角だった。そこを人々は降りていく。牛も馬も降ろす。直角の崖を、幌馬車もひとつひとつ、牛も一頭一頭ロープで降ろす。

 

行く手を大木の森が立ちはだかれば、斧を手に木を切り倒し、森を切り開いて先に進む。女も斧で大木を倒す。

インディアンが襲ってくれば、女もライフルを手に戦う。そして吹雪の雪山を越え、ようやく新天地オレゴンに到着する。

 

長い長い旅だった。馬や幌馬車を使った旅だけど、現代から見ればそれは「徒歩」と言っていいレベル。

聖書にある「出エジプト記」とかであの辺をうろうろしていたイスラエルびととそう変わらないなあと思って、人々の移動ってつい最近まで紀元前とそう変わらないのね、という感想を持った。

 

 

ジョン・ウェインの格好良さに惚れる

特筆すべきはジョン・ウェインの格好良さ。

ジョン・ウェインと言えばハリウッドの西部劇の代表格ともいえる大スター。でも30歳を過ぎてスターになった人だから、私が昔雑誌で見てきたジョン・ウェインの姿はどれも「オジサマ」だった。

 

しかし今作のジョン・ウェインは23歳。

背はどのくらいあるのか伺い知れないが、中肉中背という感じでスタイルもいいし、ややパーマがかった髪型も好ましい。

そして何より、むやみに笑わないところがいい。

笑わない訳ではないけれど、作品内で「男してる時」はあまり笑わない。だけど信頼している爺さんと話している時や、恋したルースと話している時は嬉しくなっちゃって笑顔になる、っていう感じで良かった。

無駄に笑わず、たまに笑うと可愛い。完璧。

やや活舌に難がありそうだけれど、そこは「それがタフガイ」ってことで良しとしよう。

 

いい映画だと思うのに映画はヒットせず、今作ではスターになれなかったみたいだけど、この若きジョン・ウェインは見る価値がある。

 

 余談:

 このあとの、ジョン・ウェインがまだ売れない不遇時代の映画を集めたDVD-BOXを黙々と見て、売れなかった理由を知った。

とにかく映画がつまんないの。この『ビッグ・トレイル』のあとで、もう一本でいいからマシな映画に出られていたら、もっと早くスターになったかもしれないのに。

 

 

ビッグ・トレイル

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