映画『ルビィ(1945)』のデータ
題名 ルビィ(Ruby Gentry)
監督 キング・ヴィダー
出演 ジェニファー・ジョーンズ、チャールトン・ヘストン、カール・マルデン
上映時間 82分
制作年 1952年
制作国 アメリカ
映画『ルビィ(1945)』のあらすじ
男という男がみなモノにしたいと思うほど、野性的で魅力的な田舎娘ルビィ。数々の男がルビィを崇拝しているが、ルビィは地元のフットボール選手だったボーク・タックマンに首ったけ。なんとしてでもボークを手に入れたい。
ボークもまんざらではなく、二人はお互い強く惹かれあっている。共に野性味あふれるボークとルビィはある意味お似合いのカップルだ。
ボークは元々実力者の一族で、いつかタックマン家を再興したいと強く願っている。そんなボークには幼いころから親同士が決めた婚約者のトレイシーがいた。家を再興するにはトレイシーの一家の資産が必要だ。とうとうボークは資産家の娘トレイシーとの結婚を決意する。
ボークに捨てられたルビィ。恩人であるジム・ジェントリーの妻が死に、ジムは後妻にルビィとの結婚を望む。
恋ではないが、資産家のジムと結婚したルビィ。しかしボークと再会したことをきっかけに、運命の歯車が大きく狂っていく。
映画『ルビィ(1945)』の予告編
映画『ルビィ(1945)』の感想
前半は今一つ乗れなかったけれど、中盤からこのルビィという女の運命に興味が出て、なぜ彼女はこんなことになってしまったのか、興味を持って見守れた。
このルビィ、私の周りにはいないけれどフィクションでは割と見かける、男を翻弄し、トラブルを起こし、周りをことごとく不幸にするタイプの女。
でもルビィをみていると、彼女、何が悪かったんだろうという気になる。別に特別悪いことなどしていないと思うのだが、どういうわけか悪女の振る舞いになってしまう。実際、実の兄貴に「悪魔」呼ばわりされていた。
ルビィはボークと結婚したかっただけだし、ジムのことだって、恋ではなかったかもしれないけれど彼女なりに愛して大切に考えていたと思う。
ジムの前妻には十分愛されていたようだし、やや自由奔なだけで、決して悪女ではないと思うのだが。
するとあれか。ボークか。ボークが魔性の男ってことなのか。
ボークを演じたチャールトン・ヘストンは、今回はやや控えめな存在感ながら、若くて体格がよくて押し出しが強くて格好いい。
そして実際、ボークはルビィの魅力に翻弄され、どうしてもルビィの魅力に逆らえない。それで結局は優柔不断な態度になってしまっている。そのせいもあってルビィもボークを諦めきれないのだ。
でもボークがそんなに悪い男なのかというと、やっぱり別に悪い男とも思えない。悪い男ではないのだけれど、結果的に悪い男になってしまっている、という感じ。
つまりふたりはお似合いなのに、運命は二人の味方に付かなかった。そんな感じの話。
ま、ひとつ言えるのが、ルビィがジェニファー・ジョーンズでなければなあということ。そうすればもっと良かったと思うんだけど。彼女にはこの役、似合ってないように見える。
美人なんだけれど、洗練さが足りないというか、やや田舎臭い感じがするし、なにか物足りない。見る度いつも「なんか違うなあ」と思う。でも何がダメなのかモヤっとしていてハッキリとは分からない。
ただいつも「彼女じゃなければもっと良かったのに」と思う。そして今回もやっぱり、「ジェニファー・ジョーンズじゃなければなあ」と思った。