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リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(1986)

 

 

 

 

 

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のデータ

題名 リトル・ショップ・オブ・ホラーズ (Little Shop of Horrors)
監督 フランク・オズ
出演 リック・モラニス、エレン・グリーン、スティーヴ・マーティン、ヴィンセント・ガーデニア、ビル・マーレイ
上映時間 94分
制作年 1986年
制作国 アメリカ

 

 

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の登場人物

登場人物

シーモア 花屋の店員。だいぶおつむが弱い。
オードリー 花屋の店員。ちょっとおつむが弱い。
マシュニクさん 花屋の店長。シーモアがめちゃくちゃ世話になっている。
医者 サド
患者 マゾ
オードリーⅡ 吸血食人植物

 

 

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のあらすじ

花屋で働く“植物大好き”シーモアは、まったく冴えないダメ男。

ある日空がぴかっと光って、突如現れた小さな鉢植えを持って帰って育て始めるが、なんとそいつは宇宙から来た人食い宇宙植物だった。おかげでシーモアはこいつの食欲を満たすため、死体調達に振り回されるはめになる。

冴えないシーモアとおバカな彼女、食人植物オードリーⅡ。彼らを取り巻く人々と騒動を描くブラック・コメディ。

 

 

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の感想

1960年制作の『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』のリメイク作品。なのでオリジナルとリメイクの違いを羅列しておく。

 

まず、全編キャッチーでいかにも80年代ポップス満載なミュージカル映画になっている。黒人3人娘のコーラスで始まって、シーモアやオードリーだけでなく、なんとオードリーⅡまでもが歌いまくる。これがブロードウェイ・ミュージカルっぽくて、文句なく楽しい。

元々は1960年の映画がオリジナルだけれど、このリメイクが作られるまでの間にミュージカル化を経ているので、これは映画のリメイクというよりもミュージカル版の映画化なのかもしれない。

 

そして食人植物オードリーⅡは、皆既日食の日に地球を征服しに来た異星人というSFテイストになっていた。

特撮のレベルはもちろん大幅にアップしている。オリジナル版オードリー・ジュニアの「ハリボテ感」に対して、リメイク版オードリーⅡのリアルさはハンパない。

 

演出について、オリジナルの方はいい意味で “テキトー” だったけど、リメイクの方は色々とちゃんとしちゃってて、めちゃくちゃエグい。

例えば歯医者を食べさせるところとか、オリジナル版はただジュニアに歯医者を放り込むだけだったのに、リメイク版の方は「ちゃんと切り刻んで」食べさせたりしてて、このきちんとした感じがすごくエグい。

オリジナル好きな私は、「そこ、描かなくてよくない?やりすぎじゃない?」って思うところが実に多かった。技術力が上がった分、リアルでエグい。グロい。スプラッタ系が苦手な私にはオリジナル版の、死体を「ぽいっ」ってオードリーに放り込むだけのテキトーさがちょうどよかった。

 

あと心理面に関して。どちらのシーモアも、オードリーのためにエサとして人間を調達してくるわけだけど、その印象が微妙に違う。

オリジナルのシーモアは消極的な感じで、なんか知んないけど誰かが勝手に死んじゃったから、じゃあ持って帰ってジュニアのエサにしようっていう感じ。映画だから都合よく次々とシーモアの目の前で人が死んでいくので、「は! ラッキー。なんかよくわかんないけど持って帰ろう」みたいな。

歯医者の時も、オードリーとは関係なく、ただ自分が歯が痛くて歯医者に行ったらなんか知んないけど決闘みたいになっちゃって、そしたら死んじゃったから持って帰ろうと。成り行き任せの受け身な印象。

でもこっちのシーモアは歯医者の死体を調達する際、「オードリーにひどいことをするから!」という明らかな動機を持って殺しにいっていた(結果的には勝手に死んじゃうんだけど)。こわ。

リメイク版の方が積極的。だから鑑賞後の印象がだいぶ違う。

 

それに、オリジナルでは語られなかったシーモアやオードリーの生い立ちなどのバックストーリーがこちらでは語られるのだが、生きるのがつらいとか、重たい感じで生々しくって辛かった。

オリジナル版はそういう ”人生” みたいなのがなくてあっさりしている。

 

シーモア役にはリック・モラニス。今回は思いっきり歌っていて、そして相変わらず可愛かった。彼に関しては『スペースボール(1987)』が超バカで大好き。

 

ミュージカルシーンが多めでちょっとダレてきたかなー、というところでスティーブ・マーティン投入。俄然盛り上がる。オードリーの恋人で歯医者の超サディスト役。もうやりたい放題。彼を見るだけでもこの映画を観る価値があると思う。

そしてマゾの患者役には、ビル・マーレイ。ビル・マーレイも・・・まあいつものビル・マーレイだった。

 

ほかにも途中、ラジオのパーソナリティ役にジョン・キャンディ。ジョン・キャンディって、こういうチョイ役で出るの好きそう。

 

ということで、80年代コメディアンの代表格が続々登場。みんなそれぞれ持ち味を生かしていて、彼らの定番なのがいい感じだった。

 

しかしオードリーⅡは可愛げが全くないのが不快だった。全く、全く可愛くない。

オリジナルのオードリー・ジュニアも横暴だし、不愉快だった。でもリメイクのオードリーⅡと比べたらまだまだ可愛いレベル。

リメイクのオードリーⅡは「サイテー男がサイテーをフルに発揮しているみたいな感じ」で、ぜんぜん笑えなかった。クソ男がクソぶりを発揮しているところを延々と見せられている感じで不愉快この上ない。火炎放射器で焼き払いたい。

 

というわけで私はどちらが好きかと言われれば迷わずオリジナルの方を選ぶ。リメイク版は見どころも多いけど、不愉快なところも多い。

あ、あと、もうひとつ。リメイク版はエンドロールが長い。3曲分、6分たっぷりある。

この頃からなんだろうか、エンドロールが長くなり始めたのは。昔の映画のエンドロールは良いよ。一瞬で終わるもん。

 

 

 

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