映画『ターザンの猛襲』のデータ
題名 ターザンの猛襲 (Tarzan Finds a Son! )
監督 リチャード・ソープ
出演 ジョニー・ワイズミュラー、モーリン・オサリヴァン、ジョン・シェフィールド
上映時間 82分
制作年 1939年
制作会社 MGM
制作国 アメリカ
映画『ターザンの猛襲』のあらすじ
アフリカの上空を飛ぶセスナ機が、機器の故障でターザンの住むジャングルに墜落する。乗っていた夫妻は死亡、赤ん坊だけが生き残る。ターザンとジェーンは赤ん坊を ”ボーイ” と名付け、戸惑いながらも文化住宅で育て始める。
5年後、ボーイはやんちゃに育ち、ツタにつかまりジャングル中を飛び回り、弱肉強食のジャングルの掟を学んでいた。
そこへ4人の白人がジャングルに乗り込んでくる。彼らは失踪したグレイストーク伯爵の甥リチャード・ランシング夫婦を探していた。一行は夫妻の情報を得るためターザンと接触する。
彼らはすぐにボーイがリチャードの子であると気が付く。遺産目当ての彼らはボーイをロンドンへ連れて行き、自分たちが後見人に収まろうと画策する。
ジェーンは彼らに説得されてボーイをロンドンへ帰す決意をし、ターザンの説得を開始する。しかしターザンは納得しない。そこでジェーンはターザンを騙して滝に孤立させ、その隙にボーイを旅立たせる。
しかし唯一ボーイの未来を案じるトーマス卿の「ボーイを彼らに渡してはならない、彼らはただの遺産目当てだ」の一言でジェーンは自分が間違っていたと気が付く。
計画の邪魔者であるトーマス卿は殺され、一行はザンビリ族に囚われて生贄にされそうになってしまう。
ターザンに助けを求めるため、ボーイはたった一人、ライオンやワニの襲撃を振り切りターザンのもとへひた走る。滝へ着くがボーイの力だけではターザンを助け出せない。ボーイはチンパンジーや象たちの力を借りて大木を倒し、ターザン救出に成功する。ターザンはまっしぐらにジェーン救出に向かう。
ジャングルの仲間と共にジェーンの救出に成功し、二人は仲直りして、ボーイと共に家路につく。
映画『ターザンの猛襲』の感想
映画の内容については語ることは少ない。すでにパターン化しているし、ボーイと呼ばれる ”ちっちゃなターザン” が出てくるのが新味なくらい。もちろん可愛くてハンサムな少年で、かなりの大活躍。髪型も決まってた。
ターザンが猛獣と格闘するシーンは今回はサイくらいで、どっちかというとボーイの方が格闘していたし、大活躍だった。
ターザンとジェーンの水中デートシーンは、相変わらずいちゃいちゃと長めの尺で幸せそうで良かった。
でも一番驚いたのは、チータがまるで人間のようにヤギの乳しぼりをしていたこと。
そしてチータは箱ティッシュからティッシュを次々繰り出して空にしていたけれど、ティッシュって、今と全くおんなじ仕様なのね。30年代ですでに今とおんなじ箱ティッシュだった。
ところで、ターザン映画第一作目『類猿人ターザン』でジョニー・ワイズミュラーの美しさに感心してすっかりファンになった私にとって、ターザン・シリーズを見る時にワイズミュラーの美貌は重要なポイント。
元々水泳のオリンピック選手(金メダリスト)を経てハリウッド入りしたワイズミュラーなので、ターザン映画第一作目の出演時はすでに28歳。
10代とか20歳そこそこでデビューすれば、その美貌を拝める時間がたくさんあるけど、アラサー・デビューだとあっという間に中年になってしまう。
美貌というものは年齢と共に衰えてしまうのが宿命。美貌というやつは女だけでなく、男だって同じ宿命を持っているのだ。
で、今回はどうだったのか。
前作でちょっと険しい顔つきになってきたな、、、という印象を持ったが、今回はさらに輪をかけて険しい顔つきになっていた。
1作目ではピュアっぽくて可愛らしい顔立ちだったのに、今回は目なんか吊り上がっちゃって違う人みたい。
私はこの、顔つきの変化に興味がある。私生活が関係しているのだろうか、それとも野心が芽生え傲慢さが出てきたんだろうか。
調べてみると、この頃に結婚していた二番目の妻ルーペ・ヴェレスはかなり激しい女性だったらしい。彼女はゲイリー・クーパーと付き合っている時は、クーパーを殴ったり拳銃を突き付けたり、ナイフで切りつけたりしていたというんだから、激しいとかを通り越している。
露出好きで下着を着けずに見せびらかしていたとか(何を?)、裸でリハーサルをしていたとか、おまけにそういう醜聞を隠そうともせず、自分から記者に連絡を入れていたとか。
ワイズミュラーとも頻繁に大喧嘩して、アザや傷が絶えなかったと。
でもそれがヴェレスの愛情表現で、傷だけでなくキスマークもたくさん付けていたというんだから、そういう激しい行為が好きなんだろう。情熱的・・・ってことなのかしら。ヴェレスはラテン系だし(メキシコ)。やりすぎだと思うけど。
ま、ワイズミュラーも最初はそれが情熱だと思ったんだろうけど、さすがに5~6年で離婚している。
というわけで、そのヴェレスとの結婚生活は1939年に終わるから(結婚期間は1933-1939)、次回作は破局後の作品と言うことになるわけで、柔和な表情を取り戻すかもしれない。楽しみ。