映画『殺人者』のデータ
題名 殺人者(The Killers)
監督 ロバート・シオドマク
出演 バート・ランカスター、エヴァ・ガードナー、エドモンド・オブライエン
上映時間 103分
制作年 1946年
制作国 アメリカ
映画『殺人者』のあらすじ
ボクサーで堅実さに欠けるスウィード(ランカスター)が殺される。保険調査員のリアドンがスウィードの人間関係を洗っていくと、彼は大して面識のない初老の女性を保険金の受取人にしていた。
さらなる調査の過程でスウィードの人となり、そして過去が明らかにされていく。
映画『殺人者』の感想
バート・ランカスターのデビュー作。この時33歳。めちゃくちゃ格好いい。こりゃスターになりますわ。
映画はまるで『市民ケーン(1941)』のような構成。主人公が死に、第三者が彼の過去をたどっていくスタイル。
回想型なのは正解。「何があったんだろう」と興味を繋ぐミステリーがある。
途中から主人公がランカスターなのか保険調査員のエドモンド・オブライエンなのか分からなくなるけど、前半を引っ張っていたのはバート・ランカスター、後半がエドモンド・オブライエンという棲み分けか。
顎が割れてて強欲そうなエヴァ・ガードナーの妖艶な美しさもこの役にぴったり。
ラストの方で意外や良妻なのかしらと一瞬だけ思わせてからの・・・・ほほう、そういう展開で終わらせましたか。ジコチューすぎて良かった。
映画の終わり方もユーモアがあって、有能で信頼しあっている人たちの関係って気持ちがよくていいね、といった爽快な終わり方。
総じて見ごたえ十分で、アカデミー賞にいくつかノミネートされたというのも頷ける。
監督は『幻の女(1944)』でも精彩を放ったロバート・シオドマク。この『殺人者』でオスカー候補となった。この手のフィルム・ノワールが得意なのかも。
ところで私はガードナーが演じたキティのような、美貌頼みで男頼みの人生は嫌だな。結局は男ありきの人生で自由じゃないもん。私は美人じゃなくていいから、自分頼みの独立した、今の人生で良かったと思った。